日本の与党・自民党は20日発表した参院選公約に、自衛権の行使、国防軍の創設などを含む憲法改正草案を盛り込んだ。
この草案には時代遅れな条項が少なからずあり、日本政治の右傾化の反映だと考える日本の民衆が少なくない。
安倍内閣発足以来、国際社会は日本政治の保守化、右傾化への懸念と警戒を日増しに強めており、
こうした政治右傾化を批判する集団に加わる日本の民衆も増えている。
日本の元外務審議官の田中均・日本総合研究所国際戦略研究所理事長はこのほど
「安倍晋三首相の侵略の定義に関する発言、麻生太郎副総理の靖国神社参拝、
日本維新の会の橋下徹共同代表の慰安婦に関する発言などは、右傾化の進行を人々に感じさせている」と指摘した。
神奈川県在住の上田八郎さんはこのほど朝日新聞への投稿で、国会議員による靖国神社の集団参拝という右傾化の動きは大変遺憾だとして、
日本はドイツにならい、自己批判と対話を通じて第2次大戦をめぐる歴史認識を総括すべきだと指摘した。
日本政治の右傾化はすでに国際社会が一致して認める事実だが、日本政府は否定し続けている。
小野寺五典防衛相は安倍内閣が防衛力の強化と集団的自衛権の行使の容認を計画していることについて
「右傾化と指摘する声もあるが、全くの誤解だ」と表明した。
こうした見解について、ある匿名の日本の国会議員はこのほど人民日報の取材に
「日本の国会議員および日本政治の右傾化の趨勢は非常に明らかだ。昨年12月の衆院選で少なからぬ右傾保守候補が次々に当選したこと、
今年春に国会議員多数が靖国神社を参拝したこと、安倍首相が憲法改正を図りながら、
歴史問題で誤った発言を次々にしていることは、いずれも日本政治右傾化の現われだ」と指摘した。
山口大学の纐纈厚副学長(東アジア研究科教授)は人民日報の取材に「戦前も戦後も日本は一貫して右翼国家だ。
戦前の右翼国家は侵略戦争を発動した。その反省として日本は新憲法を制定し、二度と右翼国家にならないと誓った。
自民党による憲法改正と自衛隊の国防軍化の動き、保守政治勢力による靖国神社参拝は、日本が右翼国家であることを証明している」と指摘した。
慶応大学の大西広教授は人民日報の取材に「経済的基礎が上部構造を決定する。日本の政治と思想の右傾化の根本的原因は経済にある。
日本はバブル経済崩壊後、ずっと経済が低迷したことで、政治的な保守、右傾化傾向が深刻化した」と指摘。
一橋大学の田中宏名誉教授は「不景気が日本社会全体を停滞状態にさせ、政治が保守・右傾化へと向かった」と指摘した。
ある日本の国会議員は「日本政治の右傾化は明らかだが、これは日本の民衆全体の右傾化を示すものではない。
日本の民衆の過半数が憲法96条の改正に反対していることが、この点を物語っている。現在の日本政治の右傾化の主たる原因は、
選挙制度が民意を真に反映できないことにある。昨年12月の衆院選で、自民党は小選挙区で43.01%の得票率で79%の議席を獲得した」と指摘。
河野洋平元衆院議長も昨年12月、日本の現在の右傾化の趨勢は小選挙区制度と関係があると指摘した。
朝日新聞は6月4日付社説で「歴史をめぐる安倍内閣の『価値観』の見えにくさも『右傾化』批判を招く一因だ。
歴史問題関連の発言が周辺諸国との関係に直接亀裂を招いている。各国の懸念を本当に和らげたいのなら、
実際の行動によって証明するしかない。特に中国、韓国との関係について措置を講じ、突破口を求めてもらいたい」と指摘した。
纐纈氏は「まだ多くの日本の民衆が現行憲法を堅く守り、憲法の中身を実践することで右翼国家から脱する運動を繰り広げ、
日本および日本人に対する世界の信頼を取り戻そうとしている。
歴史を鑑として、中国などアジア隣国と友好関係を築いて初めて、日本は素晴らしい将来を得られる」と述べた。
国際基督教大学の千葉真教授は「日本政治の右傾化は確かに紛れもない事実だ。だが5月以降、いくつかの変化が生じている。
日本維新の会は慰安婦問題で支持率が急落し、アベノミクスの偽善性も日に日に明らかになり、
日本の民衆はゆっくりと良識を取り戻してきている。日本は平和外交を展開し、
平和の視点を構築し、隣国との領土問題の平和的解決への道を探るべきだ」と述べた。
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