シンガポールとマレーシア西部では、隣国インドネシアから野焼きや森林火災の煙が流れ込んだ
影響で大気汚染が深刻化し、各国の間で外交問題に発展しています。
シンガポールとマレーシア西部の沿岸地域では先週後半から街全体がかすみに覆われるようになり、
鼻をつく焦げ臭いにおいが立ち込めています。
これは、マラッカ海峡を挟んで対岸にあるインドネシアのスマトラ島で農業の野焼きや、それに伴う
森林火災が続き、煙が季節風によって流れ込んでいるためです。
このかすみは毎年、この時期に観測されますが、衛星写真を分析したシンガポール政府によりますと、
ことしは火災の件数が例年よりも多いということで、大気の汚染度を測る値は17日夜、過去16年で
最も高いレベルに達しました。
シンガポールの中心部では、マスクを着けたりハンカチを口に当てたりして歩く人たちの姿が見られ、
小さな子どもを連れた男性は「空気がすごく汚れていて、娘は体調がよくありません」と話していました。
このかすみは今後、数日続くとみられており、シンガポール政府は、国民に、外出を控えるよう呼び
かけています。
この問題を巡って、シンガポールとマレーシアは対策を取るようインドネシアに求めていますが、
インドネシア側は「両国から進出してきた企業も野焼きをやっている」と反発し、外交問題に発展
しています。
このため3か国では近く、閣僚級の会合を開いて対応などを協議する予定です。
NHKニュース: 2013年6月18日 15時43分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130618/k10015387941000.html