ミャンマーの「嫌中感」も背景 高まる日本への期待
http://sankei.jp.msn.com/images/news/130526/asi13052621080003-p1.jpg 写真: 歓迎式典で閲兵するミャンマーのテイン・セイン大統領(左から2人目)と安倍首相=
26日、ネピドー(共同)
【シンガポール=青木伸行】ミャンマー政府は、安倍晋三首相が26日のテイン・セイン大統領
との会談で表明した支援策を、「国づくりへの支援」と受け止め極めて高く評価している。「世界の
支援が必要だ」とする大統領の、軍事政権時代から良好な関係にある日本に対する期待は、
中国に反し高まるばかりだ。
欧米のミャンマーに対する経済制裁の下で、日本企業は投資などを手控え、この間に中国企業
などの著しい進出を許した。
1989〜2011年度までの累積投資認可額をみると、1位は中国(139億6100万ドル)、
2位はタイ(103億6700万ドル)。日本は13位(2億2300万ドル)と後塵(こうじん)を拝して
いる。ミャンマーにすれば、日本や欧米から投資などを呼び込む余地はそれだけ大きく、安倍首相の
支援表明を高く評価しているゆえんだ。
国際通貨基金(IMF)は、ミャンマーの13年度の成長率を6・75%と予測している。ミャンマー側
には、経済改革と成長をさらに加速させるうえで「最も安定した信頼できる支援国は日本だ」(政府筋)
との認識がある。とりわけ、国民生活の向上と海外投資の拡大を図るうえで、インフラ整備への期待が
強い。
大統領は4月に中国を訪問し習近平国家主席と会談するなど、中国との良好な関係もむろん、
維持しようとしている。だが、民政移管後のミャンマーの振り子が、中国から米国へ振れるにつれ、
「中国との要人の往来は質量ともに低下している」(消息筋)という。
中国企業はというと、通信サービス大手の中国移動(チャイナ・モバイル)が携帯電話事業免許の
取得に動くなど依然、活発だ。
しかし、ミャンマーには「中国は資源を略奪するだけで、雇用創出や技術供与などの利益をもたらさない」
との嫌中感が根強い。現に、ラカイン州と中国雲南省を結ぶガス・石油パイプラインの建設、カチン州に
おける水力発電ダムの建設、ザガイン管区での銅鉱開発など、中国が出資する共同開発の多くが
地元住民の反発に遭っている。
また、中国は最大の輸入相手国であり、対中貿易赤字はミャンマーも例外ではない。地元のエコノミスト、
アウン・タン・セット氏は「安倍首相の支援は雇用創出などにつながる。中国の投資を低減させるために、
品位がある日本の投資を増やすときだ」と指摘する。
msn産経ニュース: 2013.5.26 21:06
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