http://www.chosunonline.com/site/data/img_dir/2013/05/04/2013050400453_0.jpg 画像: 検察がおとり捜査に失敗、共犯者は事件と無関係
違法な貸金業者に対し捜査を行っていた検察が、すでに逮捕した主犯を「おとり」にして共犯を検挙しようと
したところ、主犯に逃げられ、共犯だけを逮捕するという大失態を犯した。検察は逃げた主犯の行方を追って
いるが、10日にわたって身柄の確保に失敗した一方、共犯とされた被疑者は事件と関連がないことが分かり
釈放された。
検察が3日発表したところによると、A容疑者は融資を受ける資格のない人たちから依頼を受け、書類を
偽造して、ノンバンクなどから違法な融資を受けさせた疑いで捜査を受けてきた。朴槿恵(パク・クンヘ)政権が
一掃することを約束した、市民の生活を脅かす犯罪を取り締まるため、ソウル西部地検に新設された「庶民
経済侵害事犯捜査班」がこの事件の捜査に当たっていた。
検察はA容疑者の事務所や自宅に対し家宅捜索を行うなど捜査を行い、犯罪事実について確認し、
裁判所から逮捕状を取り、先月22日にA容疑者を逮捕した。検察は当初、A容疑者を逮捕・起訴して事件の
捜査を終結する方針だったが、欲に駆られ、さらなる捜査を行うことになった。
検察はA容疑者に対し「共犯は誰だ」と追及し、A容疑者は「個人的なことはよく分からないが、顔を見れば
分かる」と供述した。これを受け、検察はA容疑者に共犯と会う約束をさせ、その場所で共犯を逮捕する計画を
立てた。そして23日、検察の捜査官3人はA容疑者を連れ、約束の場所である大田市内の携帯電話販売店に
向かった。
捜査官2人は店の前で見張り、1人はA容疑者と共に建物の中に入った。A容疑者が共犯の顔を捜査官に
確認させた後、捜査官は共犯を取り押さえたが、その隙にA容疑者は建物の裏口から逃走した。
その後、検察は逃げたA容疑者の行方を追ったが、現在のところ分かっていない。一方、現場から任意同行した
共犯は、事件の捜査を進める上で役に立たないことが分かり、その日のうちに釈放した。検察はこの事実が外部に
知られないよう、職員たちに口止めをしていたことも分かった。
検察側は「建物に裏口があることを知らなかった。捜査で成果を上げようとしたのが裏目に出た」と釈明したが、
一部では「市民の生活を脅かす犯罪とはいっても、違法な貸金業者を逮捕する際には専門の捜査員を動員する
必要があったのではないか」と批判する声が出ている。この事件で用いられた「おとり作戦」は、麻薬事件の容疑者の
逮捕で多く用いられる手法で、本来はベテランの捜査官たちが行わなければならないが、今回は主に事務室の
捜索を担当してきた捜査員が検挙に乗り出した結果、恥をさらす事態となった。
尹柱憲(ユン・ジュホン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版: 2013/05/04 11:11
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