http://www.yomiuri.co.jp/photo/20130503-058166-1-L.jpg 写真: 福州市内のふ頭に停泊していた全長約80メートルの監視船「海監8002」(4月、竹内誠一郎撮影)
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20130503-058244-1-L.jpg 中国政府が海上での法執行活動強化を目的に、国家海洋局傘下の海洋監視船「海監」や農業省傘下の
漁業監視船「漁政」など4部門の海洋部隊を統合した「中国海警局」を設立したことを受け、沿海部各地でも
地方レベルの統合作業が進められている。
しかし、沖縄県・尖閣諸島など東シナ海の海洋管理にあたる福建省では、各部門の利害衝突などで作業が
難航している模様だ。
4月上旬、福州市内のふ頭に、全長約80メートルの監視船が停泊していた。2月に福建省を拠点とする
海監東海総隊に就役した「海監8002」(1337トン)。中国の海洋監視船としては初の1000トン級で、
航続能力5000カイリ、高圧放水砲2基や強力拡声機などの装備を備え、3月中旬には尖閣周辺へ派遣された。
海監東海総隊の幹部によると、沿海部の各省は、海監と漁政、税関総署海上密輸取締警察と公安省
辺防海上警察を統合した「海警総隊」を6月までに設立するよう指示されている。ただ、少なくとも福建省では、
「年末でも難しい」状況だという。
同幹部によると、4部門は、それぞれが所有する庁舎やふ頭の取り扱い、幹部ポストをどう分配するかなどで
意見が分かれ、協議が続いている。小型船の乗船経験しかない税関、海上警察の隊員の間では、日本の
海上保安庁と衝突の可能性もある尖閣近海への出動を不安視する声もあるという。
週刊紙・南方週末も、海洋行政当局と税関、海上警察の「混成部隊」が今後、一体となって海上で
取り締まり活動にあたるための法体系が不備だと指摘した。
同幹部は本紙に「予想された事態だが、中央政府は考慮していなかった」と統合が見切り発車だったことを認め、
「他省でも同様に難航していると聞く。最終的には中央政府の命令で解決されるだろう」と語った。
YOMIURI ONLINE: 2013年5月4日10時21分
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