西アフリカのガーナには近年、金採掘の可能性に賭けた1万人以上の中国人移民が流入した。しかしこの大規模な流入と、
時として非合法に、環境に配慮なく行われる活動が、現地の人々の多くの怒りを買うことになっている。
実際、中国人入植者たちと現地の人々との間の緊張は高まっており、双方からの暴力も報告されている。
ガーナで1万キロに及ぶ宝探しの旅をした中国人の1人にHuang Ren Zhong氏(40)がいる。
「仕事は難しいです。(しかし)私はここに稼ぎにきました。中国では私は平均か少し貧しい階層でした。
海外に出てより多く稼ぐのは素晴らしいことです」とHuang氏は英紙ガーディアンに語る。
そして、「私たちは、現地人から身を守るため、・・・・・・銃を持っています」と付け加えた。
Huang氏は、政府の許可がなく法律的には存在しえない非合法の小規模な金鉱で働いている。
実は、たとえ合法なものであっても、外国人が小規模な採掘に携わることは禁じられている。現地の貧困者に職を提供するためだ。
にもかかわらず、南アフリカに次いでアフリカ第2、世界的にも10位の金産出国であるガーナに、非合法な採掘ははびこっている。
2012年、ガーナは1オンス(約28グラム)平均1,668ドル(約17万円)で取引される金を420オンス生産している。そのすべてが合法採掘というわけではない。
ガーディアン紙によれば、ガーナの金生産の約23%が小規模採鉱で行われており、同国の小企業の95%は非合法である。
ガーナの金採掘産業に莫大な投資をしている中国は、合法・非合法を問わず重要なプレーヤーだ。
ガーナ政府は定期的に摘発を行い、非合法採掘を取り締まろうとしてきた。この中で、先月は120人の中国人が逮捕されている。
「(非合法採掘の)規模は非常に大きく、実際数値化は難しいのです。(非合法採掘者の)武器による脅威に加え、
人間の安全保障の問題さえ起きています。つまり、場所によっては飲み水が汚染され、
森林のほとんどが破壊された地域さえあるのです。これはわが国の将来にとって、大きな脅威です」
と摘発を指揮したガーナの土地・資源国家安全保障委員会委員長のDaniel Mishio准将はガーディアン紙に語った。
最大の貿易相手国であり、最近30億ドル(約3000億円)の借款の供与を受けた中国がいなければ、ガーナ経済は立ちゆかない。
こうした事情もあって、ガーナ政府は国内での中国人の不審な活動を見て見ぬふりをしているのではないかと疑われる。
http://jp.ibtimes.com/articles/43436/20130426/964578.htm