古来、日本には「清き明き心」を何よりも大切にする伝統がある。
日本人のDNAにしっかりと息づいた美徳と言ってよいものだ。
地方へ行くと、道ばたに野菜などの無人販売所が無防備に置かれているのをよく見かけるが、
お金を払わずに品物だけを盗んでいく人がいるという話はあまり聞いたことがない。
この無人販売所の存在は、正直を尊ぶ日本人の「清き明き心」を象徴するものの一つだ。
評論家の黄文雄氏(台湾出身)は、日本人の心性を「誠・施・和・公・浄」の5文字で表し、
「誠実で、人に施し、平和を好み、公共心に富み、汚いことを嫌う」と称揚している。
国内では当たり前のこの価値観も、残念ながら国外では全く通用しない現実がある。
世界には平気でウソをつく国や、他国の物を自国の物だと言って恥じない国があるのだ。
例えば韓国がそうだ。竹島問題は、戦後、韓国が敗戦国日本の弱い立場につけこんで
島を不法に奪い、実効支配を始めたことから生じたものだ。
「従軍慰安婦」問題も、日本をおとしめるために作られた真っ赤なウソ話が元になっている。
拓殖大学教授の呉善花氏(韓国出身)は、韓国を「虚言と虚飾の国」と形容し、「ウソつき大国」だと断罪している。
「どうしてこの民族はこんなに自己中心的なのだろうか」と嘆いてもいる。
中国はさらにひどい。自ら日本領と認めていた尖閣諸島を、70年代に入って突然、自国領だと主張し始めた。
まさに尖閣問題は、中国の利己的な欲望と帝国主義的領土拡張志向の産物なのだ。
日本の領海に入り込み、島に上陸し、日本の巡視船に船を体当たりさせ、飛行機で領空を侵犯する等の無法行為を重ねている。
「中国の島を日本が盗んだ」と口汚く罵(ののし)り、戦後の国際秩序を日本が破壊しているとまで非難する。
反日デモという名の暴動を繰り返し、放火、略奪、暴行、破壊など無法の限りを尽くしたのも記憶に新しい。
公海上の海上自衛隊護衛艦などに射撃管制用レーダーを照射したにもかかわらず、
抗議を受けると日本のでっち上げだと嘯(うそぶ)く。
黄文雄氏は、中国の国民性を「詐・盗・争・私・汚」の5文字で表し、
「ウソをつき、盗み、人と争い、個人の利益を追い求め、そのためには汚いことも辞さない」と解説している。
韓国人や中国人が平然とウソをつくのはなぜか。
工学博士の林思雲氏(中国出身)などによれば、韓国や中国では、国家や家族にとって都合の悪いことや
不名誉なことは隠すのが正義であり、そのためにウソをつくのは倫理的に正しい行為なのだという。
韓国人や中国人のこの一般的な心性は、日本では全くなじみのない「避諱(ひき)」という儒教上の概念でくくられるのだそうだ。
いやはや、日本人とは真逆の国民性ではないか。
日本には「清き明き心」に通底する謙虚・謙譲・謙遜といった価値観もあり、
それが自虐教育の背景の一つにもなっていると思われるが、この心情も「避諱」の国には全く通じない。
他人を悪く言うことを慎む日本では、他国の性悪な面を学校で子供たちに教えることを避ける傾向があるが、
日本人の美徳は大切にしながらも、世界には日本の価値観が通じない現実があることを正しく教えていく必要がある。
ウソにまみれた国を相手にするには、それなりのしたたかさと覚悟が不可欠なのだ。
2013.4.20 08:26
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130420/kor13042008360001-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/world/news/130420/kor13042008360001-n2.htm