【北海道新聞】「中国のH7N9型鳥インフルエンザ、むやみに恐れ慌てては豚インフルエンザ騒ぎの再来に。冷静な振る舞いを」[04/05]

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1帰って来た仕事コナカッタ元声優 φ ★
★邪鬼

江戸期の人たちは、はやり病(感染症)は「邪鬼」が取りついて発症すると信じていた。
当時は命取りの病とされた麻疹(ましん)(はしか)の流行時には、邪鬼を退治する「麦殿(むぎどの)大明神」の姿を描いた「はしか絵」が引っ張りだこだった
▼「麦殿」は麦が神格化された神。麻疹にかかると、麦の実から伸びる針状の「芒(のぎ)」が刺さったように喉がヒリヒリすることからの連想という。はしか絵に書き添えられた呪文が興味深い
▼<麦殿は生まれぬ先に麻疹して、かせたる後はわが身なりけり>。
自分はもう発疹が乾いた(かせた)から感染しません、と邪鬼に宣言している(酒井シヅ「病が語る日本史」講談社学術文庫)
▼麻疹に一度かかれば、免疫ができることを経験で知っていた。いまなら、「邪鬼」は「ウイルス」、「大明神」は「免疫・ワクチン」か
▼国内では風疹が全国的に流行の兆しを見せている。食中毒をもたらすノロウイルスの猛威もいまだ衰えず、中国ではH7N9型鳥インフルエンザの感染が不気味な広がりを見せている。
電子顕微鏡でしか見えない“邪鬼”が厄介なのは、退治を逃れて変身すること。鳥インフルも「人から人」への感染拡大や強毒化が心配だ
▼とはいえ、むやみに恐れ、慌てては、4年前の春の“豚インフル”騒ぎの再来になる。
肝心なのは「疑心暗鬼」を生まない情報公開と冷静な振るまいだろう。2013・4・5

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/fourseasons/