民主活動家の友人と連絡が取れなくなり、「当局に拘束されたのではないか」と心配して自宅を訪ねた。
「夫婦で海南島の三亜に行ったよ」と留守番を頼まれた親族の男性が教えてくれた。北京の大気汚染を逃れるため南方のリゾート地で
気分転換でもしているのかと安心したところ、「4人の私服警察と一緒だったよ」と聞いて驚いた。
男性の話によると、全国人民代表大会(全人代=国会)開幕の約1週間前、友人は公安局に呼ばれて「費用を全額出すからどこか
観光地に行ってくれ」と頼まれた。会期中に抗議活動を行ったり、記者と会って中国当局を批判したりするのを避けるためである。
数年前までは、国際社会で知られるような大物活動家だけを北京郊外に連れて行って軟禁することが多かったが、最近は予算がたくさん
付くようになり、風光明媚(めいび)な観光地に連れて行けるようになった。それほど有名ではない友人も今年から対象となったようだ。
海南島は警察側から推薦してきた場所という。「夫婦2人を監視するのに警察官が4人も同行するのは多すぎる。職場の慰安旅行の
気分で行っているのでしょう」と男性は苦笑した。国内の治安維持費は3年連続で国防費を超えた。警察官たちにとって今や手放せない
大きな利権となっている。(矢板明夫)
msn産経ニュース: 2013.3.15 03:05
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130315/chn13031503050000-n1.htm