インド洋大津波で大きな被害を受けたインドネシアのバンダ・アチェ市の職員2人が、
東日本大震災で被災した宮城県の東松島市で、およそ1年間、研修生として復興事業などに携わることになり、9日、現地を出発しました。
2004年のインド洋大津波では、インドネシアなど各国で22万人を超える死者・行方不明者が出て、
なかでも震源地に近いバンダ・アチェ市ではおよそ8万人が犠牲になりました。
東日本大震災のあと、バンダ・アチェ市は宮城県の東松島市と、互いに幹部が訪問するなど交流を深めており、
今回、JICA=国際協力機構の支援で、2人の職員の派遣が実現しました。
2人は、9日、バンダ・アチェを出発し、今後およそ1年間、社団法人の「東松島みらいとし機構」の研修生として、
日本の防災教育などを学ぶとともに、海外に向けた情報発信など、復興事業の実務にも携わるということです。
研修生の1人で、バンダ・アチェ市で復興事業を担当していたハフリザさん(29)は、
津波で多くの親類を亡くし、自身も流されそうになりながら生き延びた経験があります。
ハフリザさんは「私たちは互いに励まし合うことができます。街は破壊されましたが、生きているかぎり、私たちには未来があります」と話し、
災害の経験を共有することで2つの市の復興に貢献したいと意気込んでいました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130310/k10013084261000.html