「社会的に物議を醸し申し訳ない。とても苦痛を感じている」
13億ウォン(現在のレートで約1億円、以下同じ)を違法換金(通称「ファンチギ」)し、
米国の高級マンションを購入する際の中間金として使った(外国為替管理法違反罪)として在宅起訴された、
故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の長女ジョンヨン被告(37)が26日、ソウル中央地裁の法廷に立った。
黒のスーツ姿のジョンヨン被告は公判の最中、何度もうなだれ、涙を流した。
検察によると、ジョンヨン被告は2007年秋、在米韓国人キョン・ヨンヒ氏(43)から、
ニュージャージー州にある高級マンション「ハドソンクラブ」435号室を購入する契約を締結した。
そして、泰光実業の朴淵次(パク・ヨンチャ)前会長が他人名義の銀行口座から送金した40万ドル(約3400万円)を契約金として支払い、
09年1月には母親の権良淑(クォン・ヤンスク)氏が拠出した13億ウォンを中間金としてキョン氏に渡したことが分かった。
七つのリンゴ箱などに入れた現金13億ウォンは、京畿道果川市のビニールハウスで手渡された。
サングラスとマスクで顔を隠した権氏の知人は、キョン氏の依頼でファンチギに関与した、
米国フォックスウッド・カジノの元マネージャー、イ・ダルホ氏の弟ギュンホ氏をビニールハウスに案内し、リンゴ箱などを渡した。
検察は今年8月、ジョンヨン被告を在宅起訴するとともに、キョン氏については略式起訴し、
罰金1500万ウォン(約120万円)を求刑したが、権氏は不起訴とした。
ジョンヨン被告は大統領経験者の娘としては史上初めて起訴されたことになる。
この日の公判には、ジョンヨン被告の夫の郭相彦(クァク・サンオン)弁護士が弁護人として出廷した。
クァク弁護士は「権良淑氏から依頼を受けた被告人(ジョンヨン被告)は、代理で契約を締結し、
金を渡す役割を果たしただけで、事件を主導してはいない。キョン・ヨンヒ氏が中間金を要求してきたため、
権氏は盧前大統領に知られて大きな問題になったり、社会的に物議を醸したりすることを懸念し、
措置(13億ウォンの送金)を講じた」と主張した。さらにクァク弁護士は
「マンションは被告人の所有ではなく、所有する意思もなかった」とも述べた。
なお、ジョンヨン被告と権氏は検察の捜査でも、似たような内容の供述をしている。
検察はジョンヨン被告に対し懲役6月を求刑した。
ジョンヨン被告はこの日の公判を非公開にするよう裁判所に要請したが、受け入れられなかった。
クァク弁護士は最終弁論で「被告人は死去した前大統領の娘として、これまで道徳的な非難を通り越し、
刑罰よりも残酷な罰を受けてきたと思う」と声を詰まらせ、前に座っていたジョンヨン被告もまた涙を流した。判決公判は来月23日に行われる。
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