【中国経済】中国の株価、下げ止まらない!  上海株式、なぜ2000割れ[12/05]

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1水道水φ ★
★中国の株価、下げ止まらない!  上海株式、なぜ2000割れ

 中国の株価が下げ止まらず、上海株式市場の代表的な指数である「総合指数」はついに2000を
割り込んでしまった。割り込むのは、2009年1月以来、3年10カ月ぶりである。景気見通しはやや
好転の兆しが見えているものの、これまで発行制限されていた株式の解除によって大量の供給増が
見込まれることが市場で嫌気されている。

 景気にやや上向きの兆しが出てきたのは、今年秋に入って中国政府が実施してきた財政面からの
テコ入れ策などが、わずかではあるが、効果を見せ始めてきたからだ。英系金融大手が発表している
製造業購買担当者景気指数(PMI)の11月速報値が、50を13カ月ぶりに上回ったことにも、回復
の兆しは表れている。

 それでも株価が下がってしまうのは、中国証券市場が抱えている「非流通株」という構造問題があ
るからだ。中国では上場企業が発行している株式でも、市場での自由な売買が認められていない
株式、すなわち「非流通株」が全体の6割以上も占めており、市場の大きなボトルネックとなっている。
こうした「非流通株」はできるだけ解除して自由な売買を認めていきたいのだが、一気に解除すれば
市場を混乱させてしまう。したがって市場の動きをみながら少しずつ制限を解除し、市場に放出して
いる。

 今回の上海株価の2000割れは、12月に解禁される株式がかなりの規模に達することが嫌気さ
れた。その規模は上海、深センの両株式市場を合わせると1800億元(約2兆3700億円)を超え、
月間では今年最大になると見込まれている。1800億元のうち、「非流通株」は18億元強でしか
ないが、このほかにストップを掛けられていた新規や増資の株式が大量に解除されるという。解禁の
規模が2000億元を超えるとの説もある。いずれにしても、年末は企業の資金需要が逼迫(ひっぱく)
する時期なので、余計に株式需給が悪化してしまう。

 市場の期待は12月に開かれる「中央経済工作会議」に集まっている。新しく総書記に就任した
習近平氏が事実上初めての重要演説を行うからだ。この会議でさらなる景気テコ入れ策でも打ち
出されれば、株式市場も上向きに転じることができよう。

 もっとも新たなテコ入れ策は難しい。2008年秋のリーマン・ショック後に打ち出した4兆元にのぼる
財政支出の後遺症がまだ残っているからだ。上海株式の2000台回復は容易ではなさそうだ。
(拓殖大学国際学部教授・藤村幸義/フジサンケイビジネスアイ)


ソース:MSN産経ニュース 2012.12.5 12:15 (1/2ページ)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/121205/biz12120512190003-n1.htm