【韓国経済】受注ゼロの韓進重、復職従業員に仕事なし[11/13]

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釜山市影島区の韓進重工業影島造船所では、北西側にある特殊船舶の作業ゾーンからクレーンの音が響いて
いたが、商船の作業ゾーンから聞こえるのは風が吹き抜ける音だけだった。商船作業ゾーンの機関、配管、船体の
各工場、ドックなどは全て操業を停止。資材を運ぶクレーン20基は大半が止まっていた。造船所の本館ビルには
「労働組合は会社と一つになり…」というスローガンが虚しく掲げられていた。

 同社のイ・ジョンファン企画文化室チーム長は「道路、工場が部品を運ぶトラックやフォークリフトなどで混み合い、
クレーンの音が耳に響くのが通常の状態だ」と話した。

 影島造船所では従業員約700人のうち約290人が特殊船舶の建造作業に当たり、残る約410人は休業中だ。
こうした中、同社は今月9日、1年9カ月前に整理解雇した従業員92人を復職させた。昨年の労働団体やリベラル
系政治団体などがバスを動員して実施したデモ、クレーンにろう城しての会社側への圧力、国会環境労働委員会
の勧告などに従い、趙南鎬(チョ・ナムホ)会長が92人を1年以内に再雇用することを約束していた。

 復職した92人は、12日午前9時から午後1時まで釜山市南区の同社技術研究院で会社側の説明を受けた。
しかし、92人は13日から予定にない休業に入ることになった。

 会社側によると、受注減で従業員を休業させる場合、通常の賃金の全額に当たる月200万−250万ウォン
(約14万6000−18万2000円)を支払わなくてはならない。子女の学費、医療費、保険など福利厚生費まで
含めると、1人当たり400万ウォン(約29万円)かかる。会社は売り上げがなくても、毎月約20億ウォン
(約1億4600万円)の人件費負担を強いられる計算だ。

 商船作業ゾーンの2番岸壁には中国や日本の旅客船3隻が接岸しており、作業場の片隅ではSK建設が
コンクリート構造物を建造していた。イ・チーム長は「船舶受注がないため、旅客船の修理作業、港湾用防波堤に
使うコンクリート構造物の建造に必要なスペースを船会社、建設会社に貸している」と説明した。本来造船に使う
べきスペースを貸して、収入を得ている形だ。造船所は船を作らずに「不動産リース業」に転落してしまっていた。

 同社のイ・ジェヨン社長は「昨年6月にある船会社と船舶の建造意向書を結んだが、ストライキの長期化、
労働団体や政界による介入で契約には至らなかった。欧州財政危機の前だったため、会社経営を正常化する
チャンスだったが、外部の介入で機を逸した」と話した。イ社長は「会社の正常化が遅れ、下請け企業の従業員
約3000人が職を失った」とも語った。

 2008年9月以降、船舶の新規受注がない韓進重工業は、今年の売上高が好況期の8分の1の2000億ウォン
(約146億円)程度にとどまる見通しだ。同社関係者は「政府系企業でも慈善事業でもない民間企業が経営上の
判断でリストラを実施したにもかかわらず、政治的な論理で外部から振り回されてもよいのか。昨年政界が調停案
を勧告した際『会社の正常化を支援する』と言っていたが、全く支援など得られていない」と不満を漏らした。

 復職した従業員も喜んでばかりいるわけではない。ある従業員は「復職できたうれしさもあるが、受注がないことが
心配だ。このままでは共倒れになるのではないか」と話した。復職した従業員の一部は会社側の説明会後に
アルバイト先へと向かった。

釜山=朴柱栄(パク・チュヨン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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