◆いじめ加害中学生、転校後3ヶ月で舞い戻り仕返し
〜学校側、加害生徒保護者の要求で強制転校でなく一般転校させる
強制転校措置なら被害生徒の近くに再転校できないはずだったが…〜
「校内暴力を起こしたため強制転校させた」(ソウル市西大門区A中学校)
「暴力事件を起こした生徒だとは知らなかった。一般転校生として受け入れた」
(忠清南道天安市B中学校)
7カ月前に校内暴力を起こし転校した加害生徒(14)が通っていたソウル市西大門区のA中学校と、
その生徒を受け入れた天安市のB中学校の話は食い違っていた。
加害生徒はB中学校に転校してから3カ月でA中学校に近い学校に舞い戻り、
被害生徒に仕返しとして暴力を振るった。
今年3月に改正された「校内暴力予防と対策に関する法律」によると、学校自治委員会は校内で
深刻な暴力を振るう生徒を強制的に転校させることができる。
強制転校させられる生徒は、他学区の学校か、被害生徒の学校から「十分に離れた距離」にある
学校でなければ通うことができない。
教育科学技術部(省に相当)が確認したところ、加害生徒は「住所移転に伴う一般的な転校」の
扱いになっていた。つまり、A中学校の近くに再転校することを制限されていなかったのだ。
その後、再び確認を求めると、A中学校の関係者は「行き違いがあった。
学校自治委員会では強制転校を決定しようとしたが、加害生徒の保護者が『フリースクールで
校内暴力予防教育をきちんと受けさせる』と言ったため、一般的な転校として処理した」と説明した。
学校側の説明が二転三転していることから「『暴力的な生徒を強制的に転校させた学校』という
記録を残さないために加害生徒を一般転校生として処理し、問題を大きくしたのではないか」との
声も上がっている。学校側は「校内暴力をもみ消そうという意図は全くなかった。
加害生徒の保護者がきちんと指導することを誓い、自治委員会の委員らも、懲戒処分より教育的に
指導するほうがいいと判断したからだ」としている。
警察によると、加害生徒は昨年末から被害生徒(14)らに「使い走り」をさせてパンを買わせるなど、
毎日1000ウォン(約74円)ずつ、合計約100万ウォン(約7万4000円)を奪った。
拒否する生徒に対しては暴力を振るうこともあった。被害生徒は計14人に達したが、
学校は加害生徒と保護者の言葉を信じ、一般転校生として転校させたわけだ。
加害生徒はソウル市内のフリースクールに通った後、今年6月に天安市内のB中学校に転校した。
しかし、加害生徒は頻繁に天安からソウルに戻り「お前のために転校させられた」として嫌がらせを
続けた。
加害生徒は8月、天安市内から、ソウルで通っていたA中学校と500メートルしか離れていない
中学校に再転校、以前いじめていた生徒を殴り、金を奪った。
被害生徒の中には、加害生徒の暴力に耐えられず米国に移住したケースもあるという。
教育科学技術部関係者は「A中学校が一般転校を決めた際、仕返しの可能性を
見逃していなかったか調査する方針」と話している。
朝鮮日報 2012/11/03 11:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/03/2012110300547.html?ent_rank_news