http://www.chosunonline.com/site/data/img_dir/2012/10/27/2012102700547_0.jpg ここ数十年、韓日両国の通貨は「ウォン安円高」の流れが続いてきた。これは輸出で韓国が日本に対して有利な立場に
立つことを意味するもので、韓国経済発展の原動力となってきた。
ところが10月に入るとこの流れが変わり始めた。ウォン高が進む一方で円安が進行しているのだ。25日に年初来高値を
更新したばかりのウォンは、26日のソウル外国為替市場でも前日より1.2ウォン高い1ドル=1097ウォンを記録。わずか
1日で年初来高値を再び更新して取引を終えた。この結果、9月30日の時点で1ドル=1111ウォンだったドル−ウォンの
レートは、わずか1カ月で14ウォンも高くなった。この期間、逆にウォンが安くなったのはわずか4日。一方の円は9月末時点で
1ドル=78.0円だったのが、26日には79.9円と2円ほど安くなった。
為替の変動を見詰める韓日両国の表情は対照的だ。韓国の財界はただでさえ海外市場の不振が続いている中、為替まで
ウォン高に触れてきていることで、新たなマイナス要因にならないか焦る一方、日本ではこれまで経済不振の大きな原因だった
円高が一息ついたことで、景気回復への期待が高まっている。ソウル商工会議所は17日、孫京植(ソン・ギョンシク)会長
(CJグループ会長)を中心に主要グループの関係者による会議を開催し、その中で現代自動車の金億兆(キム・オクチョ)
副会長やLG化学の金磐石(キム・バンソク)副会長などは「最近になってウォン高が急速に進み、輸出企業にとって見過ごせ
ない状況となっている。1ドル=1100ウォンのラインは絶対に守らねばならない」との点で意見が一致したが、結局25日には
このラインを突破した。日本経済新聞は25日付で「円高が一服した一方でウォン高が進み、日本企業にとって大きなチャンスに
なるかもしれない」としながらも「韓国の通貨当局はいつでも外国為替市場に介入できるため、決して楽観はできない」としている。
韓国の通貨当局は26日、取引時間中にウォンが一時1ドル=1094.9ウォンの年初来高値を更新すると、昨年10月以来の
口先介入を行った。通貨当局の関係者は「外国為替市場で行きすぎた偏りが出始めている。市場の期待がウォン高という
一つの方向に偏るのは望ましくない」とする警告のメッセージを発した。市場ではこの日、通貨当局が小幅のドル買い介入も
行ったとみている。企画財政部(省に相当)のある幹部は「ウォン安円高というこれまでの流れが反対方向に転じたとみるのは
まだ早い。円の動向についても鋭意注視している」とコメントした。
■10月以降流れが変わったウォンと円
ウォン高の要因として考えられるのは、世界の3大格付け会社が韓国の国家信用等級を相次いで引き上げたことに加え、
韓国では不況とは言いながらも経常収支の黒字が続いているからだ。
これに対して円は日本が積極的な金融緩和を続けている影響で、9月末以降は円安傾向が続いている。JPモルガン・
ソウル支店のイ・ソンヒ支店長は「米国の量的緩和で国際金融市場にドルがあふれたため、日本の通貨当局はさらなる
円高を阻止するため、追加の金融緩和に乗り出すとの見方が市場では広まっている」と述べた。日本銀行は9月初めに
10兆円の金融緩和を発表した。これには日本の貿易収支が9月までの3カ月連続で大幅な赤字を記録したことも作用
している。
市場では円安がさらに進むとの見方が支配的だ。野村証券は年末までに1ドル=82円まで安くなると予想している。
キム・テグン記者
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>>2以降につづく)
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版: 2012/10/27 12:23
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