7−9月期の経済成長率が、前年同期比でわずか1.6%にとどまることが分かった。これは2009年の同時期に記録した1.0%に続く低い数値だ。
また前四半期(4−6月期)比0.2%で、これも9年10−12月期の0.2%に匹敵する低さだ。つまり、今の韓国経済は事実上、経済成長がストップしていると言っても過言ではない。
この期間、政府はインフラ整備などの公共投資を前期に比べて20%増やしたが、もしこれが行われていなければ、成長率はさらに低かったはずだ。
とりわけ前期の時点ですでに3.5%のマイナスを記録していた企業の設備投資は、7−9月期にもマイナス6%と、さらなる減少を記録した。これは企業の活動が完全に後退したことを示している。
また今年に入ってからの9カ月間、輸出は1.6%のマイナス、消費はわずか1.5%のプラスにとどまり、輸出、内需、投資など経済のあらゆる分野が完全に落ち込んだ。
韓国銀行は先日、今年の成長率見通しを3%から2.4%に下方修正したが、このままではこれさえ下回りかねない。
韓国経済全体の今後の見通しについては「来年以降も長い低成長のトンネルから抜け出せない」といった警告が相次いでいる。
欧州の経済危機は解決のメドが立たず、米国は来年度上半期の成長率がマイナスに転じる可能性がある。
さらに最近は中国、インド、ブラジルといった新興国も成長が鈍化しているため、市場では「危機の日常化」が叫ばれるほど不確実性が高まっている。
ところが大統領候補者たちは「経済成長率の鈍化」という深刻な危機について誰も語ろうとしない。
与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)候補陣営では、10兆ウォン(約7300億円)規模の景気浮揚策が検討されたが、議論はすぐに立ち消えとなった。
野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補陣営と無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補陣営では、いずれも「経済の民主化を推進することが成長にプラスになる」といった浮き雲をつかむような話ばかりしている。
国の経済が一度長期の不況に落ち込んだ場合、そこから抜け出すのは非常に難しい。日本経済はバブル崩壊後20年にわたり経済が低迷し、最近も首相が交代するたびに景気浮揚策を発表しているが、目に見える効果は発揮できていない。
そのため新政権が最初にすべき仕事は、韓国経済が長期不況という泥沼に落ち込まないよう背水の陣を敷き、新たな成長エンジンを見いだしてそれを稼働させることだ。
しかし、大統領候補者たちが今のようにバラ色の公約ばかり口にし、経済の現状から顔を背け続けた場合、今後の韓国経済は5年、あるいは10年にわたり長期不況の泥沼から抜け出せなくなるかもしれない。
ソース 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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