北朝鮮の金正恩第1書記の夫人、李雪主氏のファッションが、人気を集め平壌
で大ブームになっている。国内視察時の李氏をまねるようにミニスカートや派
手なアクセサリーを身につけて街を闊歩する女性が急増。最近、訪朝した日本
人に聞くと「平壌の街中では年々、華やかに着飾った女性が増えている。モノ
トーン調の服装は避けられつつある」という。李氏の登場で、ファッションに
対する市民意識の向上に拍車がかかったようだ。
李氏は今夏以降、金氏に帯同した国内視察で花柄のブローチや水玉模様の服装
を好んで着用。特にシャネルのスーツがお気に入りで着用頻度が高く、常にテ
ィファニーのネックレス(約35万円)などの高級ブランドアクセサリーで着
飾っていた。
こうした李氏の装いが北朝鮮メディアを通じ相次いで伝わると、平壌では李氏
の華美な服装をまねする女性が目立ち始めた。ミニスカート姿の女性を平壌当
局者が取り締まろうとしても「平民は李夫人みたいな格好をしてはいけないの
か」と抗議するケースもあったほどだ。風俗の取り締まりが徹底できず平壌当
局は困惑しているという。
ファッションリーダーとしての地位を確立しつつある李氏だが、朝鮮半島筋に
よると、公式行事の性質を考えずに素足を露出させたサンダルを履いて登場し、
不相応な装いに周囲が不快感を示したケースもあった。さらに、北朝鮮で洪水
被害が多発し死傷者が出ていた今夏、被害者の心情を考えずに公の場で金氏に
手をからませたり、大きな声で笑ったりしたことも。こうした言動から、同筋
は李氏について「自己中心的な性格」と分析。「洗練された女性というより、
実体は世情に無関心で甘やかされた金持ちのお嬢様」と指摘している。
また、同筋は李氏が過去に欧米から高級新生児用品を購入していたことも把握。
約2年前に出産し、李氏の腹部の膨らみが産後の体の変化で生じたとみている。
このため、「守るべき子供を持ち政権内部で足場固めを進めるのは必至」と予
想。政権内で李氏、反李氏派に別れ権力闘争を繰り広げる可能性も否定できな
い。李氏自らが選んだ自己主張の強い服装が権力闘争の結果、派手になったり
地味になったりすることもありそうだ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/121013/kor12101307000002-n2.htm