2日午前、韓国で原発2基が相次ぎ故障し運転を停止した。1日に2基が故障で停止するのは、2007年6月
以来約5年ぶりとなる。今回の2件を含め、今年1月以降の故障はすでに7件に上り、昨年の故障件数(7件)と
並んだ。10年の2件に比べると5件も多い。
昨年に日本で起こった福島第一原発事故と韓国での原発部品納品をめぐる不祥事を受け、原発事業に
対する管理・監督が強化されたが、故障や発電停止件数はむしろ増えており、大停電を懸念する声が強まって
いる。専門家たちは、冬場の電力需要ピーク期を控え供給能力が150万キロワットほどしか増えておらず、原発の
運転停止と需要急増が重なれば、全国各地で停電が発生する可能性もある、と警鐘を鳴らしている。
原発事業者の韓国水力原子力によると、2日午前8時10分ごろ、釜山市機張郡の新古里原発1号機が
制御棒の制御系統の故障で発電を停止した。2時間35分後の午前10時45分ごろには、全羅南道霊光郡の
霊光原発5号機も蒸気発生器への送水ポンプが停止し、蒸気発生器の水位が下がったため発電を止めた。
新古里原発1号機と霊光原発5号機の発電設備容量はそれぞれ100万キロワットで、2基の容量を合わせると
全体の2.5%を占める。韓国水力原子力は本部長を団長とする調査団を現地に派遣し、故障原因を調べている。
再稼働には少なくとも3日ほどかかる見通しだ。
ソウル大学原子核工学科の徐鈞烈(ソ・ギュンリョル)教授は、制御棒や変圧器などの電気系統で故障が頻発
していることについて「老朽化した外国製部品と取り換えられた韓国製部品が、全体の系統との連動で誤作動を
誘発した可能性が高い」と指摘した。
また、エネルギー経済研究院の鄭漢景(チョン・ハンギョン)電力政策研究室長は「夏や冬の電力需要ピーク期に
予備電力が不足している状況で、相次ぐ故障が電力需給への不安をさらに高めている。この冬にまた故障が
発生すれば、突然大停電が起こる恐れもある」と警告した。
政府は、秋夕(中秋節、今年は9月30日)連休が終わり大半の企業が業務を再開する4日をヤマ場と見て、
電力需給状況の緊急点検を実施する。知識経済部(省に相当)の関係者は「需要予測を踏まえると、4日の
予備電力は540万キロワット程度と推定される。需要量は天候などにも左右されるため、原発の整備スケジュールを
遅らせて約180万キロワットを追加で確保する」と説明している。
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