1999年の「サムブ、青丘ファイナンス事件」当事者
指名手配中の会社社長に会うため外出
http://www.chosunonline.com/site/data/img_dir/2012/08/20/2012082001303_thumb.jpg 写真: 先月13日「江原道束草市に行く」と言って自宅を出たまま、40日近くも消息を絶っている、サムブ・ファイナンスの
ヤン・ジェヒョク元会長(写真左)の姿が、先月23日に大邱市内の大型スーパーの監視カメラに捉えられた(写真右)。
/写真提供=釜山蓮堤警察署
1990年代末、数千億ウォン(1000億ウォン=現在のレートで約70億円、以下同じ)の出資金を運用し、不渡りを出した
サムブ・ファイナンス(釜山市)のヤン・ジェヒョク元会長(58)が、家を出てから40日近く連絡がつかず、警察が捜査に乗り出した。
釜山蓮堤警察署は19日「ヤン元会長が先月13日『C社のH社長に会うため(江原道)束草に行く』と言い、ソウル・江南地区の
オフィステル(住居兼事務室)を出たまま消息を絶ったとして、先月19日に捜索願を受理し、現在捜査を行っている」と発表した。
ヤン元会長は1999年、釜山を混乱に陥れた「サムブ、青丘ファイナンス事件」当時、韓国のノンバンク最大手だったサムブ・
ファイナンスの会長だった。また、サムブ建設やサムブ・エンターテインメントなど五つの系列会社を抱えてもいた。一方、C社は
事件当時、被害者たちを救済するために設立された会社で、元税務職員のH社長はかつて、サムブ・ファイナンスの財務担当
副社長を務めていた。
警察は「ヤン元会長の行方を追う一方、H社長も指名手配し追跡している」と説明した。警察によると、ヤン元会長の失踪には
理解できない部分が多いという。携帯電話の位置を追跡したところ、先月13日午後2時ごろ「C社のH社長に会いに行く」と言って
自宅を出たヤン元会長は、3時間後の5時13分、束草港の防波堤付近で消息を絶ったことが分かった。このとき、ヤン元会長の
携帯電話からは、何者かがバッテリーを分離したことを示す信号が基地局に捉えられたという。
だが、ヤン元会長は自宅を出てから10日後の先月23日、大邱市内の大型スーパーで、息子名義のクレジットカードで買い物を
しており、その場面が監視カメラに捉えられた。警察は「監視カメラに映ったヤン元会長はごく自然に振る舞っており、拉致されたり、
何者かに強要されたりしているようには見えなかった。その一方で、家族との連絡が取れない状況のため、理解に苦しむ」と話した。
ヤン元会長の息子(23)は「2カ月前、父が『H氏に会いに行こうと思うが、もし連絡がなかったり、途絶えたりした場合には、何か
問題が起こった可能性があるから、通報するように』と告げた。父の失踪にはC社のH社長が関与している可能性が高い」と主張
している。
一方、H社長は10年、ヤン元会長やサムブ・ファイナンスの出資者協議会などから「C社の金を横領した」との理由で告訴された。
その後、C社の幹部2人は昨年11月、会社の金約58億ウォン(約4億1000万円)を横領した疑いで検察に逮捕されたが、H社長は
行方をくらましている。ヤン元会長の弟(57)は「C社は兄やサムブ・ファイナンスの法人名義の不動産(約2200億ウォン〈約154億円〉
相当)を処分し、損失を被った投資家たちへの賠償を行うため、2000年に設立された会社だが、H社長らが会社の資産を全て横領
したり、使い果たしたりした」と主張している。
警察は「H社長は釜山地検のほか、東莱警察署などからも指名手配されている。1年以上にわたり逃亡し、携帯電話やクレジット
カードなどを使用している形跡がみられないが、出身地を中心に追跡している」と語った。なお警察は、ヤン元会長が拉致・監禁
された可能性や、個人的な事情のため行方をくらませた可能性などを全て念頭に置き、捜査を行っている。
ヤン元会長は、許可を受けないまま、銀行のように投資家たちから金を集め運用していたが、系列会社の設立やぜいたくな生活の
ため、約230億ウォン(約16億円)を使い込んだとして、99年9月に大検察庁(日本の最高検察庁に相当)に逮捕され、懲役5年の
判決を受け服役し、2004年に出所した。
釜山= 朴柱栄(パク・チュヨン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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