【特許訴訟】サムスン・アップル経営陣、直談判が決裂 特許訴訟は長期化の見通し

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写真: サムスンの崔志成副会長(左)とアップルのティム・クックCEO

 サムスン電子と米アップルが1年以上にわたり繰り広げてきた特許訴訟は、長期戦の様相を呈してきた。米国の裁判所による
命令で、サムスン電子の崔志成(チェ・ジソン)副会長とアップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)が直接会い、2日間に
わたり、断続的に16時間の交渉を行っただけに「劇的な合意に至るのではないか」という期待感もあった。しかし、双方はこれまでの
立場を再確認したにとどまり、周囲の期待は外れ、法廷での攻防が続くことになった。

■「交渉内容、明らかにできない」

 クックCEOとの交渉を終えた崔副会長は25日午後11時、サムスングループの専用機で帰国した。金浦空港で記者団に
交渉結果を問われた崔副会長は「判事から言及するなと言われており、交渉については明らかにできない」と述べた。

 判事は機密保持を求めたが、双方は今回の交渉でこれといった結論を出すことはできなかったとの見方が有力だ。米国の
裁判所の記録によれば、崔副会長とクックCEOは、それぞれの法律顧問を同行させ、2日間で16時間の交渉を続けたという。
判事による仲裁により、双方は21日に9時間、22日に7時間にわたり、論争を展開した。しかし、2日間のマラソン交渉にも
かかわらず、両社からは新たな立場表明はなかったとされる。事情を知る関係者は「双方は主な争点で真っ向から対立した
ようだ。互いの立場を明確に確認しただけで、交渉妥結に向けた進展はなかった」と語った。

 米国の専門家は、裁判所の記録に今後の交渉日程が記載されていない点などからみて、近日中に双方が追加的な交渉を
行う可能性は低いとみている。追加交渉が行われなければ、双方は予定通り7月30日に始まる本訴訟に決着を委ねることになる。

■裁判所の決定の行方

 しかし、一部には今回の裁判所での交渉進行過程からみて、追加交渉の可能性を指摘する声もある。米裁判所が急きょ
再交渉を求める可能性があるためだ。米裁判所は今回の両社経営陣による交渉で、劇的な交渉打開を期待していたとされる。
クックCEOは、前任の故スティーブ・ジョブズ氏ほど強硬ではない上、サムスン電子の崔副会長も積極的に交渉に応じたからだ。
サンフランシスコの連邦地裁判事が、裁判所ではなく、第3の場所で交渉を持ちたいという両社の要求を受け入れたことも、両社の
交渉意思を高く評価したためとされる。

 匿名の関係者は「調停を担当した判事が今回の交渉結果をどう判断するかがカギになる。このまま本訴訟に突入するのではなく、
追加交渉を勧める可能性も依然残されている」と述べた。

■特許紛争の経緯

 両社による訴訟は、昨年4月にアップルがサムスン電子に特許を侵害されたと提訴したことで始まった。アップルはサムスン電子の
スマートフォン、タブレット端末がアップル側のデザイン、ユーザーインターフェースに関する特許を侵害したと主張している。一方、
サムスン電子は、アップルが移動通信技術に関する特許を侵害したとして逆提訴した。両社は米国のほか、韓国、ドイツ、日本など
9カ国で30件の訴訟を展開している。

卓相勲(タク・サンフン)記者


朝鮮日報/朝鮮日報日本語版: 2012/05/26 10:02
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