∞拷問で自白…在日男性2人の無罪確定 北朝鮮スパイ事件で韓国最高裁
韓国最高裁は25日までに、1970〜80年代に韓国で「北朝鮮スパイ」とされて国家保安法違反
罪などで服役した在日韓国人男性2人の再審で、拷問による虚偽自白で事件自体捏造されたとし
て無罪を言い渡した高裁判決を支持し、検察側の上告を退ける判決を言い渡した。判決は24日付。
再審でスパイ行為に対する無罪が確定した在日韓国人は2人を含めて少なくとも7人に上る。
確定判決によると、2人のうち大阪市旭区の金東輝さん(58)は韓国留学中だった75年10月、
韓国中央情報部(KCIA、現在の国家情報院)に連行され拷問を受けた。日本で北朝鮮の指導員
から機密探知指令を受けたとして起訴され懲役4年の刑が確定、79年まで服役した。もう1人の
福岡県在住の男性(56)は83年10月に軍に連行され、勤務先の日本の学校法人理事長(故人)
から同様の指令を受けたとして88年まで服役した。(共同)
ソース:MSN産経ニュース 2012.5.25 08:25
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120525/kor12052508260001-n1.htm ∞福岡の男性の再審無罪確定 在日スパイ事件
【ソウル神屋由紀子】韓国で軍事政権下の1980年代、「北朝鮮のスパイ」として国家保安法違反
罪などで有罪判決を受けた福岡県在住の在日韓国人男性(56)に対する再審の上告審判決が24
日、韓国最高裁であった。李仁馥(イインボク)裁判長は、冤罪(えんざい)と認定した高裁の無罪判
決を支持し、検察の上告を棄却。男性の無罪が確定した。近年、在日韓国人スパイ事件の再審が
相次いでおり、無罪確定は5人目。
男性は83年に逮捕され、翌年、懲役10年の判決が確定した。当時の確定判決は、男性が在日本
朝鮮人総連合会(朝鮮総連)関係者の指示で韓国に潜入し、スパイ活動を行った、としていた。
昨年12月、ソウル高裁は再審判決で、令状なしの逮捕や取り調べ中の拷問を認め、事件自体が
捏造であるとして完全無罪を言い渡した。裁判長が「当時の司法が被告の人権を守れなかった」と
異例の謝罪も行った。
男性は最高裁判決について「やっと韓国の司法が正しく判断し、無罪が確定してすっきりした」と
述べながらも、「逮捕から29年という歳月は戻ることができない」と無念さもにじませた。
韓国では70、80年代、北朝鮮との厳しい対立の中、在日スパイ事件が多発した。盧武鉉(ノムヒョ
ン)前政権は軍事政権下の人権侵害を再調査する政府機関を設置、同機関が男性をはじめ事件の
当事者に再審請求を勧告した。男性は「裁判所は一人でも多く一日でも早く、冤罪を認めるべきだ」
と語った。
=2012/05/25付 西日本新聞朝刊=
ソース:西日本新聞 2012年5月25日 00:19
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/304122