4月26日(ブルームバーグ):米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは26日、中国の2012、13両年の経済成長率が
7.5−8.5%に鈍化するとの見通しを明らかにした。ユーロ圏のリセッション(景気後退)で輸出が抑制されることを理由に
挙げた。
ムーディーズはリポートで、中国の外貨・自国通貨建て債格付け「Aa3」のアウトルック(見通し)は「ポジティブ(強含み)」
だとしながらも、力強い経済成長を維持するために、同国は地方政府の財政に対する厳格な管理と新たな一連の改革
実施が必要だと指摘。特に金融システムでそうした改革が求められると説明した。
リポートを作成したトーマス・バーン、デービッド・エリクソン両氏はその中で、強含みの格付け見通しは中期的な経済見通しが
良好であることなどによって支えられていると指摘。その上で、「政治・経済的なイベントリスクは低いとみられるが、考えられ
ないわけではなく、実際に起きれば急激で大幅な格下げにつながりかねない」と付け加えた。
中国の1−3月(第1四半期)の前年同期比成長率は8.1%と、ほぼ3年ぶり低水準となった。輸出の伸びが鈍化し、
温家宝首相が消費者物価と不動産価格の上昇抑制を図る中、5四半期連続での成長減速となっている。ムーディーズに
よれば、中国のここ10年の成長率平均は10.3%。
Bloomberg: 2012/04/26 16:02
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M32HTR6JIJUO01.html