【香港時事】香港で社会問題になっている中国本土出身の妊婦の越境出産が大幅に制限される見通しになった。7月1日に就任する
梁振英次期行政長官が新たな方針を示したためだが、一国二制度の在り方に関わる懸案で、中国当局を巻き込む大きな政治問題に
発展する可能性がある。
17日付の香港各紙によると、梁氏は16日、越境出産問題について、本土出身の両親がいずれも香港永住権を持たない場合、来年
以降は香港で生まれた子供に必ずしも永住権を与えないと発言。さらに、来年から私立病院の越境出産受け入れ枠(今年3万1000件)
をゼロにする方針を示した。
しかし、終審法院(最高裁)は2001年、この種のケースで子供には永住権取得の権利があるとの判決を下しており、永住権付与を拒否
すれば、訴訟を起こされ、政府側が敗訴する可能性が大きい。政府側には中国全国人民代表大会(全人代=国会)に法解釈を求め、
終審法院判決を覆す選択肢もあるが、民主派は「香港における司法の独立が損なわれる」として強く反対している。
jiji.com: 2012/04/17-17:26
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2012041700746