∞中国はいま某国で
∞中国が印パ国境を租借?
∞ブラジルでは中国車が大人気
米ワシントンにある中東メディア調査研究所(MEMRI)で南アジア研究を率いるトゥファイル・アーマド氏が
伝えたところ、パキスタンのウルドゥー語新聞の報道に、インドとの国境紛争地帯全体を中国に50年間の
リースに出すとするものがあった。
■中国、印パ国境を開発か
1962年の中印戦争以来、中国、インド、パキスタンが接する一角は紛争が絶えず今日に至る。別掲図で
薄茶色の一角が問題の地域。これをパキスタンは中国へ租借させるという話だ。
初めに同地域の開発に名を借りて中国軍が浸透し、時を置いて50年租借の契約を結び、中国が管理下
に入れるという。草案段階なのか確立した政策なのかはまだ判断できない。
ギルギット・バルティスタンと呼ばれる問題の地域には既に中国軍が常駐しており、数は一説によると
7000から1万強という。1個師団または2個旅団が展開していることになる。加えて地図の緑色部分、パキ
スタンが実効支配するカシミール地方にも、3000〜4000の中国兵が入っているとの観察がしきりだ。
米印の接近と米パの離反、アフガニスタンからの米軍撤退など地域力学の変化に、中国がパキスタンと
ともに反応した結果か。印パという一触即発の関係に中国が自動的に関与してくる可能性が高まる。50年
租借など実施すべきでないことを国際社会は中国に伝える必要がある。
■チェリーQQ車 ブラジル市場へ浸透
南米に先行参入し一定の評価を築いたら本丸米国を狙う。それが中国自動車メーカーの戦略だと言えそうだ。
スウェーデンのボルボが中国企業(吉利汽車)に身受けされた今、中国車はそろそろ米国消費者の認知
を得る頃かと言えばさにあらず。GfKカスタム・リサーチ調べによると中国車の購入を検討すると答えた米
国人は38%しかいない(昨年8月)。ドイツ車と日本車は76、75%だった。
事情は南米一の大国ブラジルへ行くと随分違う。2011年8月同国専門誌(Carro)のメーカー別信頼度調
査は、ブレーキ制動時間など全体13項目中6項目で首位となった中国車「チェリーQQ」をトップに選んだ。
中国名を奇瑞汽車という安徽省・蕪湖市出資の官営企業がつくるリッターカーQQは、販売車種の7割
近くが同クラスというブラジル市場にヒットした。11年は年初来7月までで、チェリーのブラジル向け輸出
台数は2万2395台を記録、前年比3倍以上の伸びを示した。中国車全体のブラジルにおけるシェアは、
10年4月にほぼゼロだったのが11年8月には3.3%まで上昇したという。
ブラジル自動車市場は独フォルクスワーゲン、伊フィアット、米GMの3強が3分の2のシェアを握る場所
だが、中国車の浸透が無視できなくなってきた。フィアット最高経営責任者のセルジオ・マルキオンネ氏
は11年8月、中国車の挑戦は「大変な脅威」だと述べ業界に覚醒を促した。
市場シェアを15年までで3倍にするのを目標とする奇瑞汽車は、ブラジルが採用した輸入関税をかいく
ぐるため生産の現地化も進める。ブラジルのサン・パウロ近郊に4億米jかけ組立工場を建てたほか、
ベネズエラ工場も11年9月に完成、操業を始めた。
売りは価格の安さで、チェリーQQフル装備車は同クラスで不完全装備の独車などに比べ邦貨で7〜8万
円安い。ちなみにチェリーのエンブレムはトヨタ車かマツダ車のそれを思わせる。開発には日本車などを
真似ればよく、コストを浮かせる。奇瑞のように官営なら株価重視の必要もない。安くつくれるわけだ。
日本勢にも奮起が必要なところか。
ソース:WEDGE Infinity(ウェッジ) 2012年04月06日(Fri) 谷口智彦
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1785 画像:各国の思惑が入り混じる緩衝地帯
http://wedge.ismedia.jp/mwimgs/5/2/-/img_524c6f314b60f59f2c0a7063b13efd60104638.jpg