KT(旧韓国通信)の教育用ロボット「キボット(Kibot)」がサウジアラビアに輸出される。 KTの
関係者は1日、「サウジアラビアの通信会社モバイリーとキボットの輸出価格・量を調整中」と
し「1万台以上の輸出について交渉中で、早ければ今月中に船積みすることになる」と述べた。
http://japanese.joins.com/upload/images/2012/04/20120402163130-1.jpg モバイリーはサウジアラビア通信市場の40%を占めるトップ企業。 キボットの初輸出は、昨
年11月にモバイリーの役員およそ10人がKTと業務協力について議論するため韓国を訪問
し、輪郭が固まった。 当時の訪韓は、李錫采(イ・ソクチェ)会長(67)がスイスで昨年6月に
開かれた「通信企業最高経営責任者(CEO)ラウンドテーブル」ミーティングで、モバイリーの
役員と業務協力を拡大しようと約束したことに基づくものだった。
当初、KTはキボットにそれほど期待していなかった。 モバイリーの役員を相手にしたプレ
ゼンテーションでも最後に追加で言及する程度だった。 ところが予想していなかった反応が
表れた。 スマートフォンでキボットに電話をすると、キボットが家の中を動きながら子どもの
姿を映し出す場面でモバイリーの役員から拍手が起こった。
「2人目の妻の家、3人目の妻の家にキボットを1台ずつ購入すれば、子どもの姿をいつでも
見ることができる」という反応が出てきた。 イスラム国家のサウジアラビアでは男性は女性
4人まで結婚できる。 プレゼンテーション後に続いた夕食の席で、モバイリーの関係者は
「韓国よりもサウジアラビアで先にキボットを販売できるようにしてほしい。 すぐに5万台を
購入する」と話すほどだった。
その後、KTはチームを結成し、サウジアラビア教育用ロボット市場を本格的に分析した。 研
究を進めるほど市場性は高まった。 サウジアラビアは人口が2800万人だが、3−13歳の
子どもは20%水準の560万人にのぼり、1世帯当たりの子どもの数は3.3人だった。韓国
の3−13歳の子どもの数は470万人で、全体人口の約9%にすぎない。
裕福な男性であるほど4人の夫人と多くの子どもがいるケースが多い。 しかもイスラム経典
のコーランでは、妻や子どもを差別することが禁じられているため、家長1人が数台のキボット
を購入する可能性が高い。 暑さのため野外活動をあまりせず、テレビ視聴などコンテンツ消
費市場が発達している点も目を引いた。 WiBro・第3世代(3G)網がよく構築され、ロング・
ターム・エボリューション(LTE)も登場するなどネットワーク環境もよかった。
サウジアラビア市場に進出するためKT側は細心の注意を払った。 モバイリーの職員が会議
中に祈る姿を何度か見てから、ミーティングスケジュールに「祈祷時間(prayer time)」を含
めた。 モバイリーの職員は「こうした細かな配慮は初めて」と言って感動した。 サウジアラビア
に出張する場合はいつも金曜日にソウルを出発した。 イスラム教徒は木曜日・金曜日に休み、
土曜日から1週間の業務を始めるからだ。
KTはサウジアラビア進出を契機に近隣中東国家にキボット輸出を拡大する計画だ。 KTホーム
顧客部門のソ・ユヨル社長は「クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーン、
オーマンなど市場状況が似た隣接国への進出に関してもモバイリーと協業を進行中」と述べた。
◇キボット(Kibot)=KTとアイリバーが共同開発し、昨年12月に登場した教育用ロボット。
1万件のVOD、600件の教育用アプリケーションを利用できる。 英語学習、童話の読み聞
かせなど、さまざまな教育コンテンツを利用でき、子どもの安全を守る遠隔モニターリング
機能もある。 アンドロイドOS(基本ソフト)に7インチスクリーン、最大60インチのビーム
プロジェクター、500万画素カメラを備えている。 1台の販売価格は68万1000ウォン。
1カ月の利用料は1万5000ウォン(約1100円)で、映像・音声通話を100分間に限り無料
使用できる。
中央日報 2012/04/02
http://japanese.joins.com/article/724/149724.html?servcode=300