対象者25−30人、受領額30億ウォン
ソウル・江南地区で13カ所の風俗店を経営し、21億ウォン(約1億5400万円)を脱税したとして
有罪判決を受け服役中の「江南風俗街の帝王」ことL受刑者(40)が、賄賂を渡した警察官たち
を恐喝、脅迫していたという情報が寄せられ、警察が監察に着手した。警察に寄せられた情報
によると、L受刑者から賄賂を受け取った警察官の数は25−30人、受け取った額は30億ウォン
(約2億2000万円)に達するという。
警察が12日に発表したところによると、L受刑者は自分が賄賂を渡した警察官(OBを含む)25
−30人のリストを作成し、最近内縁の妻(35)に渡したという。内縁の妻らは該当する警察官
たちに対し「金を返さなければリストを公開する」と脅迫したとのことだ。
警察のある幹部は「L受刑者が作成したリストには、警衛(日本の警部に相当)から総警(警視
長に相当)までの警察幹部25−30人の名前が記されており、賄賂の額は1人当たり3000万−1億
ウォン(約220万−732万円)、総額30億ウォンに達する」と語った。
警察によると、L受刑者は2008年から09年にかけ、江南地区で風俗店を経営する傍ら、同地区
に勤務する警察官たちに「1000万ウォン(約73万円)を投資したら、1カ月に利子だけで100万
ウォン(約7万3000円)を還元する」と持ち掛け、賄賂を渡したという。
匿名を条件に取材に応じた警察幹部は「L受刑者は江南地区で風俗店を経営していたとき、一
時は1日の売り上げが4億−5億ウォン(約2900万−3700万円)に達し、親交があった警察官た
ちに小遣いや飲み代、名節(旧正月〈旧暦1月1日〉と秋夕〈チュソク=中秋節〉)の餅代など
を渡していた。L受刑者はリストを作成するに当たり、小遣い程度のわずかな額を受け取った
警察官は除外し、3000万ウォン以上を受け取った警察官だけを記載していたと聞いている」と
話した。
警察によると、L受刑者は1997年、ソウル市中区北倉洞で風俗店の客引きを始め、その後江南
地区に進出。逮捕される前まで5年間にわたり、13カ所の風俗店を経営し、売上額は少なくと
も3600億ウォン(現在のレートで約264億円)に達していたという。
2010年2月、江南区ノンヒョン洞でL受刑者が経営していたルームサロン(高級個室バー)で働
いていた19歳の家出少女が、母親に助けを求めるメールを送ったことを受け、警察が捜査に乗
り出した。その後、警察はL受刑者の携帯電話2台の通話記録約8万4000件を調べ上げ、L受刑者
との癒着が発覚した警察官6人を罷免・解任、33人に対し減俸またはけん責処分を下し、捜査
を終了した。L受刑者は同年7月、売買春や脱税などで逮捕・起訴され、懲役3年6月の判決を受
けて現在服役している。
警察の監察班は12日、報道資料を発表し「今月8日、ソウル拘置所に収監されているL受刑者と
面会したが、L受刑者は『監察班には言わない。検事に情報を提供する』として、供述を拒ん
だ」と説明した。また、警察は「L受刑者から『金品の受け取りについて暴露する』と脅され
て会いに行った警察官は現在のところ見つかっておらず、事実の確認を続けている。監察の結
果、容疑が明らかになった場合、厳しく責任を問う方針だ」と発表した。
アン・ジュンホ記者
朝鮮日報 2012/03/13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/13/2012031301520.html