大学講師のAさん(33)=女性=は5カ月前、自宅に監視カメラ3台を取り付けた。生後10カ月
の娘を置いて仕事に出掛けるためだ。朝鮮族のベビーシッターを雇ったが「子どもに睡眠薬を
飲ませる」「親がいないときに子どもをたたく」といった、ベビーシッターに関する悪いうわ
さが気になった。二つの部屋とリビングに1台ずつ設置したが、運営費は1カ月4万6000ウォン
(約3300円)とさほど負担にならない。Aさんは「スマートフォン(多機能携帯電話端末)の
アプリケーションを使ってリアルタイムに家の中を見ることができ、子どもの生活パターンを
確認できるため、満足している」と語った。
主に飲食店などの業務用、防犯用として使用されてきた監視カメラが、一般家庭でも使われる
ようになっている。
今月半ばには人気脚本家イム・ソンハンさん(52)の夫、ソン・ムングォン・プロデューサー
(40)が自殺する場面が自宅の監視カメラに映っていたことが報じられ、ますます関心を集め
るようになった。
慶尚南道晋州市に住むチェ・ビョンチョルさん(45)は、昨年10月に自宅で時価600万−700万
ウォン(約43万−50万円)相当のジュエリー30点を盗まれた後、監視カメラ3台を取り付けた。
チェさんは「年間レンタル料が13万ウォン(約9400円)ほどで意外に安く、スマートフォンで
家の中の状況を確認でき、声や音も聞こえる。家に人がいるときはカメラを壁に向ければ済む
ので、プライバシーの侵害を気にする必要もない」と語った。
家庭用監視カメラの需要増加を受け、ある業者は昨年9月からレンタルサービスを開始した。
加入者は現在100人ほどだが、毎月平均30−40台のカメラを新たに貸し出している。問い合わ
せは1カ月に150件以上寄せられるという。加入者の6割が幼い子どもを持つ母親とのことだ。
イ・ミジ記者
朝鮮日報 2012/02/29
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/29/2012022901126.html