∞韓国軍:兵士と長官のツイッターめぐり賛否両論
∞軍民主化の傍証か、階級秩序崩壊の危機か
江原道のある師団のGOP(最前方哨所)大隊に所属するユン兵長とクォン一等兵が、国防部(省に相
当)の金寛鎮(キム・グァンジン)長官に対し、簡易投稿サイト「ツイッター」で「将兵の休暇を師団長が
妨げている」という意見を述べたことをめぐり、インターネット上で議論が繰り広げられている。「信念
ある行動だった」という意見と「軍の指揮体系を無視したもの」で性急だった、という意見がぶつかった。
■「問題があるなら知らせるべき」
インターネット上のコミュニティーでは、20−30代が主軸となり、2人の「ツイッター嘆願」に応援メッ
セージを送った。「普通の職場でも、あのようなことは言いにくいのに、非常に勇気がある」「指揮官が
間違っていたら、あのようにしてでも意見を表に出すべき」などの意見が見られた。ある部隊の指揮官
は「実に窮屈な韓国軍の意思疎通構造について考えるきっかけにしなければならない」と語った。また、
国防部の高官は「ツイッターは、韓国軍の内部で意思疎通の方法として使われ得る。長官と兵士がツ
イッターを通じて対話するということ自体、軍がそれだけ民主化されたという傍証になるのではないか」
と語った。金長官は昨年6月、哨所に勤務する海兵隊の兵士が民間航空機に警告射撃を行ったときも、
韓国国民向けにツイッターで謝罪を行った。
■「軍の階級秩序が崩壊しかねない」
2人の兵士が所属する部隊の関係者は「2人は事実関係をきちんと確認せず、性急にコメントを載せ
た」と語った。GOP勤務兵には、勤務日数に応じて慰労休暇が保障されている。しかしユン兵長などは
最近、この慰労休暇がなくなるという部隊内のうわさを聞き、こうしたツイートを行ったという。この関係
者は「褒賞休暇制度を再検討するという内容が誤って伝えられたようだ」と語った。分隊長を務める
ユン兵長は、自隊の小隊長に問題の事実を確認せず、ツイートを行ったという。
韓国軍内部では、上命下服が命の軍の階級秩序に否定的影響を及ぼしかねない、という声が多く
聞かれる。国防部の関係者は「長官のツイッターが兵士の申聞鼓(朝鮮時代、一般民衆が君主に窮状
を直訴できるようにと宮殿の門前に設けられた太鼓)になったら、混乱するのではないか」と語った。
また、金長官が「勇気ある提言をありがたく思う」とコメントしたことをめぐり、不適切だという意見も出た。
あるインターネットユーザーは「軍人精神はあの世に行ったとしか思えない。休暇のような話ではなく、
戦闘力増強に関する建議など、夢見ることもできない。長官は本当に寛大でいらっしゃる」とコメントした。
また一部のインターネットユーザーは「部隊の雰囲気が険悪になりそうだ」という懸念も表明した。
2人の兵士は、問題のツイートを消した後、今月5日にクォン一等兵の名前で金長官に対し、公式の
謝罪ツイートを行った。陸軍の関係者は「2人の兵士に対し、特に制裁措置は取らない」と語った。
チョン・ヒョンソク記者
ソース:朝鮮日報日本語版 2012/01/07 10:34
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