サイバー攻撃への自衛権発動、米の対中懸念背景
http://www.yomiuri.co.jp/photo/20120101-252894-1-L.jpg 政府がサイバー攻撃に対する自衛権発動の検討に入った背景には、同盟国の米国が中国への懸念を深めて
いることがある。
中国政府は否定するが、多くの例で中国の関与が指摘される。
こうした攻撃に自衛権を発動した場合、実力行使の手段をどのように取り、どんな手続きを取るのか。「専守防衛」を
掲げる日本は、報復の攻撃力を米軍に依存している。政府は、米国との共同対処を念頭に、外務・防衛当局の
日米協議を11年9月から始めた。
米国防総省は同年7月に発表した初の「サイバー軍事戦略」で、外国からのサイバー攻撃を「戦争行為」とみなし、
軍事報復を辞さない方針を打ち出した。さらに9月、オーストラリアとの間で、サイバー攻撃の際の共同対処方針を決定。
日本にも「豪州同様のアプローチを構築する機会がほしい」(10月、パネッタ米国防長官)としており、今後、日米共同
対処の枠組み作りが進む見通しだ。ただ、サイバー攻撃を戦争行為とみなすことは、「国際的合意を得ているわけでは
ない」(外務省筋)のが実情だ。欧米諸国では、サイバー空間での行動規範や交戦規則の策定を目指す動きが始まって
おり、日本政府も関与していく方針だ。
YOMIURI ONLINE: 2012年1月1日22時51分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120101-OYT1T00565.htm