【カンボジア】日本で上場の夢絶たれ、急成長の新興国にかける パチンコ最大手、カンボジアで銀行の超堅実経営[12/28]

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1なつあかねφ ★
(略)

■2008年、日本資本初の銀行を設立したマルハン

(略)

SBIが40%出資する日韓合弁商業銀行「プノンペン商業銀行(PPCB)」に先立つこと約3カ月。
2008年5月22日に、「マルハンジャパン銀行(MJB)」がプノンペン市内に開業した。

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マルハンジャパン銀行(MJB)本店

開業当初は85%、現在は100%の株主として当行を立ち上げたのは、日本全国270店舗を超えるパチ
ンコホールを展開する業界最大手であり、ボーリング場や映画館なども手掛けるアミューズメ
ント総合企業、マルハンである。

現在も会長を務める韓昌祐氏が1957年に創業し、今では連結総資産約2900億円、連結売上高は
2兆円を超え(2011年3月期)、マルハンの売り上げ規模はカンボジアの2010年国内総生産
(GDP)の約3倍に匹敵する。

「パチンコ最大手のマルハンがカンボジアで銀行」と聞くと、まず穿った見方から入ってしまう
日本人は少なくない。それを一番痛感しているのは、ほかでもないMJB自身である。

親会社の独特な存在感ゆえ、日本サイドからはいろいろと面白可笑しく取り沙汰されることも
少なくないが、それら風聞や邪推に反し、MJBは極めて真っ当な商業銀行としての事業を展開
している。

日本および欧米の一流銀行を渡り歩いた日本人を頭取に据え、日本人とカンボジア人混成の経営
陣の下、元在カンボジア日本大使を社外役員に迎え、カンボジア現地企業に対する法人融資を
中心に地域に根差した商業銀行を目指し、地道な取り組みを続けている。

2010年末現在、資本金総額4400万ドル(約34億円)は、カンボジア商業銀行29行中、5位にラ
ンキングされる。

同年末現在で総資産は約8700万ドル(約68億円)と、14位に当たる中堅規模ではあるが、「JAPAN」
の名を掲げた唯一の日系資本100%の商業銀行として、カンボジアにおけるその知名度は高い。

■他銀行とは一線を画す超堅実経営

カンボジア人にとってMARUHANと言えば銀行であり、その親会社がパチンコを主体とした総合
アミューズメント大手であることを思い浮かべることができる現地カンボジア人は、ほぼ皆無
である。

カンボジア中央銀行(NBC)が毎年公表する、カンボジア銀行監督年次報告書。

カンボジアにあるすべての銀行の主要財務指標を開示する本資料の2010年度版において、MJB
は約350万ドル(約2.7億円)の純損失と開示された。

同報告書に記載された商業銀行29行中、純損失を計上したのは7行。そのうち、純損失額が100万
ドルを超えているのはMJBのみである。

銀行セクターの成長率観測は年18%以上と言われ、カンボジア銀行業界の好調ぶりが広く謳わ
れる中、NBCの報告書を読む限り、MJBは業績的に大きく出遅れているという印象をぬぐえない。

>>2へ続きます

JBPress 2011/12/28
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34042