27日午前、ソウル中区明洞(チュング・ミョンドン)の「美」漢方クリニック。2日前に韓国入り
した台湾の劉チュンリン(24)さんと趙文益(27)さんは、同医院の金ジョングォン院長から、
自分たちの肌の状態について相談を受けていた。このうち、劉さんは、同医院への訪問が
今回で3度目になる。アイドルグループ、少女時代の熱烈なファンである劉さんは、今年半ば、
たまたま、Kポップ(韓国大衆音楽)の紹介資料に出た病院の情報を目にし、長年の悩み
だったにきび肌の治療を韓国で受けることにした。2度の治療過程で満足した劉さんは、友人
らを説得し、一緒に韓国を訪れた。
●病院も「ショッピング」にきた外国人たち
韓国観光公社が27日に出した、「韓国医療観光総覧2012」によると、09年5月、国内医療
機関も海外患者の誘致ができるよう、医療法が改正された後、韓国を訪れる医療観光客が
急増している。
09年、6万201人だった海外医療観光客は、昨年の81万789人に続き、今年は前年比30%
以上増の11万人に上ることが、調査の結果分かった。世界でも最も大きな医療観光市場で
あるタイが、水害被害を受け、その代わりに韓国を選んだ外国人観光客も多かったという分析
だ。このような傾向が続くなら、2020年には100万人を突破するだろうと、観光公社は見込ん
でいる。
医療観光は、滞在期間が一般観光客より長く、支出額が大きいことから、国内観光業界から注目
を集めている市場だ。実際、最近、脊椎手術のため、ソウル江南(カンナム)の漢方クリニックを
訪れた中東の王族は、買い物だけで2億ウォンを使い、話題を呼んだこともある。観光公社は、
医療費用を始め、観光費用や看護のため一緒に来た家族らの消費までを考慮すれば、この1年
間で、医療観光によって獲得した収入は、計3559億ウォンに上ると試算している。1人当たり
平均249万ウォンほどを使ったことになる。
観光公社・医療観光事業のチン・スナム団長は、「最近、日本や中国を中心に、『休憩』のため
に韓国を訪れる医療観光客が増えている」とし、「休養とエステティックとを結合させた医療
サービスは高価なので、医療観光を通じて獲得する収入額は、15年は1兆2740億ウォン、
20年は5兆5101億ウォンへと急増すると見られる」と主張した。
●美容だけでなく、がん患者も韓国を訪れる
韓国を訪れる医療観光客が最も多く訪れる病院は、皮膚科や整形外科だが、最近は、ロシアや中東、
オーストラリアなどから、ガンや心臓病、脊椎疾患の患者らが、重症疾患病院を訪れるケースも増え
ている。10月中旬、京畿富川市遠美区中洞(キョンギ・ブチョンシ・ウォンミグ・チュンドン)の順天ク
(スンチョンヒャン)大学・富川病院のがん病棟で、記者と会ったタボロフ・セルゲイ氏(44)は、9月に
韓国入りしたときは、大腸がんの末期患者だった。「情報技術(IT)の優れた韓国は、がんもうまく治す」
という隣人らの話を聞き、一人で韓国を訪れた。1ヶ月間の抗がん治療を成功裏に受けたセルゲイ氏
は、ソウル市内のデパートを訪れ、家族へのプレゼントを買い、10月末、ロシアに帰った。
東亜日報 2011/12/28
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2011122804578