∞対潜戦、中国の脅威に備える 日米韓など関心、装備品市場が急伸へ
南シナ海をめぐる中国と、ベトナム、フィリピンなどの対立が続くなか、中国の潜水艦の脅威に対抗し、
潜水艦を探知・攻撃する対潜装備品の市場が急成長する見通しになった。アジア太平洋地域での
作戦能力重視の方針を打ち出した米国が対応を急いでいるほか、日本や韓国も対潜戦システムへの
関心を高めているという。
◆貿易ルートを守る
ソナー検波器供給で世界最大手の英ウルトラ・エレクトロニクス・ホールディングスのラケシュ・シャル
マ最高経営責任者(CEO)は29日までにインタビューに応じ、米国が中国の東太平洋での海軍軍備
拡大に対応し、対潜機器への投資を拡大するとの見通しを明らかにした。それによると、中国の海軍
増強が近隣諸国との緊張を高め、商用航路の安全確保の必要性が高まっていることを受け、米国防
総省と同盟諸国が、最も騒音の影響の多い航路でも潜水艦を発見できる装備に支出を集中させてい
るという。
同氏は「世界的な国防費削減の波にあってもソナー事業は拡大をみせている。鉱物や商品などは
海上輸送のため貿易ルートの安全確保が急務だ。中国の潜在的な脅威が増大する中、米国や豪州、
シンガポール、マレーシア、フィリピンが対潜戦投資を進めるだろう」と指摘した。
オバマ米大統領は今月中旬、重要な海上交通路の防衛強化などに、豪州北部に将来的に2500人
規模の米海兵隊を駐留させると表明。一方、中国海軍は今月、西太平洋海域で訓練を実施。防衛関連
調査会社、IHSジェーンズによれば、中国はアジア太平洋の艦隊向けに建造される可能性が高い86隻
のうち、30隻を2020年までに追加する計画だ。米国はこうした中国海軍の影響力牽制(けんせい)に
動いている。
◆南シナ海でも効果
シャルマ氏によると同社は米インディアナ州にある一部門でアジア太平洋関連任務向けにソナーの
開発を進めている。同ソナーはより強力な音響パルス放射で、太平洋とインド洋を結ぶ主要航路のマ
ラッカ海峡や、採油権をめぐり中国とベトナム、フィリピンが対立する南シナ海など最も騒音が多い水中
でも潜水艦を発見できる見込みだ。
米議会諮問機関の米中経済安保調査委員会が先月発表した報告書の草案によると、中国の軍備
増強は中国−台湾間の緊張の「平和的解決」の可能性も減少させている。米国は台湾国防を保証し
フィリピンやタイと防衛条約を締結している。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の武器移転プラグラムのシモン・ベイズマン研究員は、日本
と韓国なども対潜戦システムに注目していると指摘。IHSジェーンズによると、アジア太平洋諸国が過去
10年で調達を予定している海洋哨戒機約100機と海上ヘリコプター100機の大半にソナーが装備され
るとみられる。
ウルトラは豪州の駆逐艦向け対空・対潜装備や、米海軍で13年配備予定のボーイング製海洋哨戒機
「P8 ポセイドン」向けのソナーシステムの供給を進めている。(ブルームバーグ Sabine Pirone)
ソース:SankeiBiz 2011.11.30 05:00
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111130/mcb1111300503024-n1.htm http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111130/mcb1111300503024-n2.htm 画像:米海軍のミサイル駆逐艦フィッツジェラルドで行われた米比相互防衛条約60周年の式典に臨むヒラリー米国務長官=16日、マニラ(AP)
http://www.sankeibiz.jp/images/news/111130/mcb1111300503024-p1.jpg 関連スレ
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