∞遺体に群がる葬儀業者・警察・消防、悲しむ遺族を食い物に
∞元警察官の葬儀場経営者、1年8カ月で846件の遺体情報を入手
ソウル市永登浦区のA葬儀場には、交通事故の死者や自殺者などの遺体がなぜか非常に多く集まる
とのうわさが広まっていた。
ソウル南部地検は先月初め「警察官が裏金を受け取り、遺体を組織的にA葬儀場に搬入している」
との情報を入手した。捜査の結果、遺体をめぐって警察官、消防官、病院の担当者、互助会、葬儀用
品業者、葬儀場経営者が裏金やリベートなどをやり取りしながら共生するという、非常に複雑な仕組
みが一気に明らかになった。検察の関係者は「彼らは遺体に群がり、遺族が負担する葬儀費用を分け
合っていた。まるでハイエナのようだ」と述べた。
検察による捜査の結果、この葬儀場を経営するイ容疑者(54)=逮捕・起訴済み=から受け取った
裏金に味を占めた警察官らは、遺体が発見されるとすぐにその情報をイ容疑者に提供した。相場は
1体あたり20万ウォン(約1万3700円)。摘発された警察官11人のうち、7人は実際に金を受け取ってい
たことが分かった。消防署に連絡が入った遺体についての情報をイ容疑者に流した消防官2人も、今
回同時に摘発された。また合計250人に上る互助会や病院の担当者も、2009年1月から今年9月まで、
846回にわたりイ容疑者に遺体情報を流し、その見返りに20万ウォンから30万ウォン(約2万700円)を
受け取っていた。
警察によると、問題の葬儀場を経営するイ容疑者は、収賄事件に絡んで1997年に警察を退職した元
警察官だった。イ容疑者は2003年から葬儀場の経営を始めたが、開業と同時に「遺体営業」も開始した
という。検察の関係者は「元警察官のイ容疑者は、遺体に関する情報が現場勤務の警察官や消防署
に最初に入ることを知っていた。そのため、警察や消防関係者の会食に出向いては、食事代を肩代わ
りするなどして親しくなっていった」と述べた。
イ容疑者が遺体を引き取り、その見返りとして警察官などに支払った裏金は、遺族が支払う葬儀費
用で賄われていた。イ容疑者は遺族が葬儀用品取り扱い業者に弔花、霊きゅう車、遺体の装束、喪
服のレンタルなどを注文するたびに、業者からおよそ20%のリベートを受け取っていた。例えば遺族が
葬儀に参列するための貸衣装を借りると、その費用の6万ウォン(約4100円)のうち、3万5000ウォン
(約2400円)を業者から受け取っていたという。遺族が30万ウォン(約2万円)の弔花を注文すると9万
ウォン(約6200円)、55万ウォン(約3万8000円)の遺骨箱を注文すると24万5000ウォン(約1万7000円)、
7万ウォン(約4800円)の遺影であれば2万ウォン(約1400円)がイ容疑者の懐に入った。
警察は検察が捜査を開始する前の今年4月、この葬儀場と警察官の間で裏金がやり取りされている
との情報を入手し、内部監察を行っていたが、あいまいな調査に終始したため、汚職の実態を暴くチャ
ンスを自ら逃していた。当時、ソウル地方警察庁の監査官室は「濡れ衣だ」と主張するイ容疑者と警察
官の言葉だけを聞き「嫌疑無し」との結論を下していた。警察庁の関係者は、当時の内部監察に問題
があったことを認めた上で「ソウル警察庁の聴聞監査官を懲戒し、自宅待機命令を下した」と明らかに
した。
ユ・マディ記者
ソース:朝鮮日報日本語版 2011/11/14 11:23
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/11/14/2011111400964.html 画像:図・葬儀費用の流れ
http://www.chosunonline.com/site/data/img_dir/2011/11/14/2011111400810_0.jpg #依頼412