【経済】FTA攻勢で「経済領土」拡大する韓国、米韓FTAを含め、61%で世界3位に…日本の「領土」わずか17%、競争条件で不利に[11/1]

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 韓国が自由貿易協定(FTA)を積極的に推進し、「経済領土」を拡大し続けている。経済領土とは、FTAを締結した相手国・
地域の国内総生産(GDP)の合計が世界全体のGDPに占める比率のことだ。

 韓国の朝鮮日報によると、米国が批准手続きを済ませている米韓FTAを含めると、韓国の経済領土は約61%となり、チリ、
メキシコに次いで世界3位に躍進する。日本の経済領土は約17%で韓国に大きく水をあけられている。

 ◆同時多発的に推進

 韓国では、盧武鉉(ノムヒョン)前政権時代の2003年、「同時多発的なFTA推進」を標榜(ひょうぼう)する「FTAロードマップ」
を策定。米州、欧州、アジアの各地域で比重の大きな相手とのFTA締結を優先して交渉を進めてきた。

 韓国は、チリ(04年4月発効)、シンガポール(06年3月発効)、欧州自由貿易連合(EFTA、06年9月発効)、東南アジア
諸国連合(ASEAN、07年6月物品分野発効、09年5月サービス分野発効、09年9月投資分野発効)、インド(10年1月
発効)、欧州連合(EU、11年7月一部を除き暫定発効)とFTAを実施している。

 ペルーとは10年11月、FTAに仮署名し、交渉の最終段階に入っている。米韓FTAは、韓国国会の批准手続きが残るばかりだ。
韓国は、世界の10大貿易国の中で、初めて米国とEUの双方とFTAを結ぶ国となる。

 外交通商省の金宗●(キムジョンフン)通商交渉本部長は「FTAは、ライバル国より早く妥結するほど、先取りによる利益など、
プラス効果が高まる」として、米韓FTAの早期批准を求めている。

 東亜日報によると、韓国の昨年の貿易総額8915億ドル(約69兆3300億円)のうち、17.3%がFTA締結国・地域が相手
だった。また、韓国の貿易黒字の39%はFTAを交わした国・地域に対するものだった。FTA発効前後で比べると、貿易額は60%、
貿易黒字は168%増加した。これらには今年7月にFTAが暫定発効したEUとの貿易は含まれていない。

 ◆日本の決断を迫る

 同一の市場に対して、FTAを結んでいる国と結んでいない国が競争した場合、FTAを結んでいる国が有利になる。

 例えば、日本企業が欧州市場で韓国企業と競争する場合、韓国は無関税で欧州に部品や製品を輸出できるが、日本製の
部品や製品には関税がかかる。このため日本製品が割高となる。

 しかし、日本企業はEU域内に生産拠点を移すことで、韓国企業に対抗することができる。FTAの「蚊帳の外」で損失を被るのは
日本にとどまる企業や国内の雇用だ。

 日本では「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)」参加可否への決断が差し迫った政策課題となっている。TPPが実現すれば、
実質的に米国とFTAを結んだのに等しい効果が期待される。TPPへの参加が遅れれば、他の参加国に対して相対的に不利な
貿易条件を負うことになる。日本政府に残された時間は少ない。 (ソウル支局)

●=土へんに薫の旧字体のくさかんむりを取る

ソース(SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111101/mcb1111010500000-n1.htm
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/111101/mcb1111010500000-n2.htm
写真=米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の工場をオバマ米大統領と訪れ、「米韓FTAは両国の利益になる」と訴える
李明博韓国大統領
http://www.sankeibiz.jp/images/news/111101/mcb1111010500000-p1.jpg