[24日 ロイター] 週明け24日の東南アジア株式市場の株価は、薄商いの中を上昇した。
企業利益への期待に加え、23日の欧州連合(EU)・ユーロ圏首脳会議や、統計で中国経済に
復調の兆しがみられたことが背景。
ジャカルタ市場.JKSEは2.38%高、シンガポール市場.FTSTIは1.79%高。ともに1週間ぶり
高値を付けた。
クアラルンプール市場は0.78%高、マニラ市場.PSIは0.83%高、ベトナムのホーチミン市場.VNI
は0.83%高。
欧州の首脳らが、銀行の資本増強や、欧州金融安定化基金(EFSF)を用いて債券市場での
危機拡大を押さえ込むことで合意に近づいていることについて、投資家は「疑わしきは罰せず」という
姿勢で待っていた。
マレーシア系証券会社CIMB―GKの、シンガポールを拠点とするエコノミスト、ソン・センウン氏は、
「投資家は、状況の好転が進行していると本当に信じているようだ」と指摘。「また、企業決算で
これまで悪い材料はなかった」と付け加えた。
10月のHSBC中国製造業購買担当者景況指数(PMI)速報値が前月から幾分上昇したことも、
リスク資産への投資家心理改善に多少寄与した。同PMIはこれまで3カ月連続で拡大・縮小の
分岐点である50を下回っていた。
海外資金の流れは、クアラルンプール市場は6620万ドルの純流入。ジャカルタ市場は4590万ドル
の売り越し。マニラ市場には280万ドル流入した。
バンコク市場.SETIは祝日で休場だった。
ジャカルタ市場を除く4市場は出来高が少なめで、30日平均の40─85%の水準。
金融株が東南アジア地域の株価上昇に寄与し、中でもインドネシアの銀行株の上伸が目立った。
最大手の国営マンディリ銀行(BMRI.JK)が7%急伸したほか、同3位のセントラル・アジア銀行(BCA)
(BBCA.JK)は3.9%高。BCAが取引終了後に発表した7─9月期決算は、前年同期比で42%の
増益だった。バルバリー・アジア証券の調査・分析部門幹部は「銀行株は流動性と、時価総額の大きさの
ため魅力的だ」と説明。ファンダメンタル的にインドネシア経済は好調である上、貸し出しが伸びているため、
各行の純利益が急激に増加する可能性があると述べた。
シンガポール市場では、銀行株と海底油田掘削装置(リグ)建造株と資源株が上昇を主導。リグ
建造大手のケッペル・コープ(KPLM.SI)は2.7%、同業セムコープ・マリーン<SCMN.SI>は4.5%、
それぞれ上昇した。銀行大手DBS(DBSM.SI)は2.5%高で終了、華僑銀行(OCBC)(OCBC.SI)は
3.4%高、大華銀行(UOB)(UOBH.SI)は2%高。CLSAアジア・パシフィック・マーケッツのアナリスト、
デレック・オビントン氏は「もし欧州が解決策で合意する可能性があることにより株式市場全般のリスク回避
傾向が低下しているならば、これら3行にとってプラス材料となろう」と語った。
REUTERS: 2011年 10月 24日 21:37
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT802781920111024