韓流ファンの間に新たな楽しみ方が広がっている。韓国の無名の若者が出演するライブを目当てに客が集まる劇場や飲食店が
東京都内に続々と誕生。これまでのように韓国発のスターや作品を“輸入”するのではなく、自分たちの身近なところで真っさらな
韓流アイドルを育てようという動きが盛んになっている。
東京随一のコリアタウン、新大久保(新宿区)に4月、ライブスポット「Seichi(セイチ)」がオープンした。普段はK−POP(韓国
ポップ音楽)の映像を流してレストランとして営業。毎日数時間、韓国に関連するイベントやライブの会場に様変わりする。
出演者の中で人気を集めるのが、都内の音楽専門学校の韓国人留学生ら男性のバンド「ROTI(ロッティ)」。3月の同店
オープンに合わせて出演予定だった韓国のタレントが、東日本大震災の影響で、来日を中止。店側は急きょメンバーをオーディション
で選び、1カ月遅れで開業させることができた。
即席のグループだったが、3カ月後には公演のたびに100人程度のファンが来場するまでに成長。経営会社パイネックの
千葉奈加子課長は「近い距離で自分が育てている気分を味わえるのが魅力なのでしょう」と、予期せぬ反響に驚く。
これまでも、韓流スターは「ファンミーティング」などで直接触れ合う場を頻繁に設け、女性の心をつかんできた。東京都港区の
女性(46)は「韓国のスターは、間近で素顔に触れて好きになる。日本のアイドルには距離を感じる」と明かす。韓流スターの多くが
自身のブログに旅行などのプライベート写真を掲載しているのも、親しみを感じる一因のようだ。
おしゃれな主婦らに人気の東京・恵比寿に5月にできたのが、K−POP専用劇場「K THEATER TOKYO」。約190席の
小劇場で、16〜26歳の韓国人男性21人から成るグループ「Apeace(エーピース)」が、ほぼ毎日、出演している。目指すは
一体感。
母国で芸能活動の実績はない新人だが、2カ月もたたないうちに、ステージの目の前の席は常連客が埋め、ひいきのメンバーの
名前を連呼するようになった。
目玉は握手会だ。歌や踊り、日本語でのトークを盛り込んだ1時間半の公演後に、観客はズラリと並んだ出演者全員と両手を
握り合い、満面の笑みで帰っていく。
宣伝を担うモードツーの松尾健二本部長はファンの気持ちを「非日常の空間で、直接見て触れ合うことができる現実を求めて
いるのではないか。日本で韓流を受け入れる土壌が成熟したということ」と分析している。
ソース(ZAKZAK)
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20111022/enn1110221429005-n1.htm 写真=Apeaceのメンバー(右側)と握手をして笑顔の観客ら
http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/images/20111022/enn1110221429005-p1.jpg