韓国と米国の自由貿易協定(FTA)発効が秒読みとなり、台湾経済への影響が懸念されるなか、
馬英九総統は14日、中台間の経済協力枠組協議(ECFA)発効と米国との貿易投資枠組協定
(TIFA)の協議再開により、衝撃を和らげる方針を示した。経済部は米韓FTAについて、台湾の
産業界への影響を118億米ドル(約9,070億円)規模、域内総生産(GDP)への打撃を1%以下と
予測している。
米議会上下両院は先ごろ、韓国とのFTA実施法案を可決した。発効すれば、5年内に工業製品など
95%の関税が撤廃される。韓国の李明博大統領は13日、ワシントンでオバマ大統領と会談し、FTAの
早期発効を目指すことで一致しており、来年1月にも発効するとみられている。
馬総統は、米韓FTAが2007年6月の調印から4年以上かかったことに触れ、「我々は発効を見越して
4年前から準備を進めてきた。最大の対抗策はECFAだ」と説明。「台湾の最大貿易相手国は米国から
中国に変わった。中国市場では韓国よりも優位性を保つことができる」と楽観的な見方を示した。ただ
長期的な目で見れば、米国とのFTA締結は必要と主張している。
TIFAはFTA締結の前段階に当たるが、米台の交渉は米国産牛肉の輸入問題をめぐり、2007年7月の
会合を最後に中断している。馬総統は会合を再開させ、将来的なFTA締結へと道筋をつけたい考えだ。
経済部国際貿易局によると、昨年の台湾から米国への輸出額は344億1,900万米ドル。このうち電子・
電機製品など65.9%ではゼロ関税が実現しているが、機械や紡織、アパレル、プラスチック、化学、光学、
自動車部品など、34.1%に相当する118億3,900万米ドル分には関税が課されたままだ。
各産業への米国の平均関税率は機械や紡織、プラスチックは2.5%〜12%、光学、化学は2.5〜5%、
アパレルでは最高30%に上る。FTAが発効すれば、韓国のアパレル製品の対米輸出は7割で関税が
引き下げられるため、台湾メーカーの相対的な競争力低下は否めない。
■GDPへの影響1%以下
米韓FTAへの危機感が強まるなか、経済部の施顔祥部長は14日、「産業別に対応策を講じることで、
輸出への影響を最大でも50億〜60億米ドルに抑えることができる」と自信を示した。米韓FTAの発効に
よって特に影響が大きいのは、関税率が4.6%以上の産業で、金額にして33億米ドルに相当する。ただ
有効的な対応策を取れば、GDPへの影響は1%以下に抑えることができるとみる。
財政部関税司は同日、輸出製品に使う原材料の輸入関税を還付する現行制度の適用範囲を広げた。
電子や機械、化学など主要6分野の約1,200品目余りを対象に追加し、FTAへの対抗姿勢を強めている
ほか、馬総統は先ごろ開いた月例経済会議で、各政府部門に対応策を打ち出すよう指示している。
NNA.ASIA: 2011年10月17日
http://news.nna.jp/free/news/20111017twd002A.html 関連スレ
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http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1292410907/ ほか