「ごり押し批判」も多い韓流が、根強い人気を見せている。日本からの観光客は増加の一途で、免税店の売り上げも好調だ。
また、アニメや音楽などのコンテンツ産業も堅調。テレビだけでなく雑誌も、「韓流特集」を続々と組んでいる。
■韓国への日本人旅行者は大幅増
韓国観光公社によると、韓国を訪れた日本人の数は8月の単月で見ると前年同期比24.3%増の32万5900人。1〜8月の累計
でも同2.5%増の199万9900人に達している。東日本大震災の影響で、春からゴールデンウィークにかけて航空需要がかけて大きく
落ち込んだことを踏まえると、夏場に大幅な伸びを見せたと言える。
約2年半ぶりのウィン安・円高に後押しされる形で、日本人観光客の、現地での購買意欲も旺盛だ。ソウル税関の統計によると、
ソウル市内の免税店7店の11年1〜7月の売り上げは前年同期比16.0%増の1兆2823億ウォン(845億円)。そのうち韓国製品の
売り上げは1912億ウォン(126億円)で26.0%増えている。
国籍別に見ると、もっとも商品を購入した額が多いのが日本人で、韓国人、中国人が続く。日本人が購入した商品の内訳を
見ると、化粧品、食品類、民族工芸品が人気。聯合ニュースによると、この背景には、韓流ブームで観光客が増加したほか、
韓国製品のブランド価値が高まったことがあるとみられている。
■韓国コンテンツの輸出は大幅増
ドラマなどの「韓流コンテンツ」も堅調だ。これは、日本のテレビ局からすると「韓国ドラマは割安だから」などの理由という。当初は
CSやBSで盛んに放送されていたが、ここ1〜2年で地上波にも進出。フジテレビは平日午後(関東ローカル)に「韓流α」、TBSも
平日午前(関東ローカル)で「韓流セレクト」と呼ばれる枠を設けている。この枠を設けたことなどが、一部で「韓流偏重」などと批判
を浴びたが、すでに11年6月にはTBSやポニーキャニオンなど日韓のメディア企業8社は、ドラマの製作支援に特化したファンドを
立ちあげている。「韓流コンテンツ」安定供給のための布石だとも言える。
なお、韓国の文化体育観光部とコンテンツ振興院の発表によると、11年上半期(1〜6月)のコンテンツ産業の輸出額は前年
同期比27.2%増の2兆225億ウォン(1332億円)。内訳は音楽(733億ウォン、64.1%増)、アニメ(695億ウォン、51.5%増)などが
多かった。欧州の通貨危機を踏まえても、好調な輸出が続くとみている。
■「やりすぎ」という批判も
日本の雑誌でも、さかんに韓国関連の特集が組まれている。ドラマや歌だけでなく食品などへの広がりから「第二次韓流ブーム」と
位置づける雑誌もある。
例えば「女性セブン」10月20日号では、8ページにわたって「韓流にまさか私がハマるなんて!?」と題して、ドラマや出演者の紹介記事
を掲載。「an・an」(アンアン)9月28日号も、「あの人が食べてメニュー全チェック!韓流セレブが通う名店」といったグルメ特集を掲載
している。「日経トレンディ」11年10月号でも、「『なんでも韓国化』のなぜ」と題して、韓国製ボーカロイド(音声合成ソフト)や、
韓国の大手芸能事務所と提携したスマートフォン用アプリの人気を伝えている。
前出のように、ウィン安・円高が進んでおり、08年10月1日の最安値(100ウォン=6円8銭)に迫っている。このことから、今後はさらに
「お得感」を打ち出したテレビ番組や雑誌記事が増えるのは確実だ。
もっとも、韓流を前面に押し出した編成には批判も根強い。例えば10月10日夜にフジテレビで放送された「HEY!HEY!HEY!」では、
出演者の大半がK-POPアーティスト。その上、子役タレントが韓国人アーティストに対して「かっこいい」などと発言したことから、
ネット上では「無理矢理韓流をプッシュさせられているのではないか」などという疑問の声もあがっている。
ソース(J-CAST)
http://www.j-cast.com/2011/10/11109652.html