日本経済新聞 2011/9/23 消費面
韓流ブーム、中高年から20〜30代へ 菓子・化粧品に支持
ttp://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C889DE1E7E2E0E1E7E6E2E0E0E2EBE0E2E3E3869895E2E2E2 韓国の食品や化粧品が20〜30代女性を中心に支持を広げている。 K―POP(韓国歌謡)など韓流スター人気と、
円高・ウォン安が後押しし、韓国製消費財の認知度が高まっているためだ。「冬のソナタ」などの韓国ドラマブーム
をきっかけに、勢いづいてきた「新韓流消費」。手軽で安く満足感が得られる点が受けているようだ。
「目当ては韓国のお菓子とお酢。コスメも買う予定」。JR新大久保駅(東京・新宿)近くで韓国製品を扱うスーパー
「韓国広場」を友人と訪れた水戸市の会社員、小形直子さん(26)はこう話す。
K―POPファンの友人の助言で人気のチョコレート菓子、「マーケットオーリアルブラウニー」(298円)を手に取った。
同商品は韓国土産として人気が沸騰。コンビニエンスストアではミニサイズの商品も販売する。輸入販売を手がける
オリオン日本支社(東京・中央)によると、8月は1月の約5倍を売った。
購買層の主役である若い女性が注目するひとつが韓流スターの「美」。調査会社のクロス・マーケティングが
日本人女性150人に韓国人女性の印象を尋ねたところ「肌がキレイ」「スタイルが良い」が上位を占めた。
インターネット通販の楽天は、この1年で韓国主要9ブランドの化粧品の売り上げが前年同期比2.1倍を記録。
「MIJINマスクシートパック(100枚)」(3400円)など「数千円の商品が主流」(楽天)という。
最近のウォン安も比較的経済力の乏しい若年層には追い風だ。日本旅行では韓国ツアーの参加者が8月に昨年比
22%増、9月も25%増となっている。20代の支持を集める「てんこ盛り!ソウル」は2泊3日で5万円前後。グルメや
ショッピングに加え、500円の追加料金で韓国式サウナが体験できる。JTBでも6千〜7千円で韓国式サウナとエステ
が体験できるオプションが人気だ。
日本旅行によると、2004年〜05年は定番観光に「冬のソナタ」などのロケ地巡りを付けた平均10万円前後のツアー
が中高年女性に売れた。それが10年以降は「K―POPの台頭やウォン安で10〜30代が増加し、ツアー参加者が
増えた」。
博報堂研究開発局の小山諭・上席研究員は「ある国のドラマや歌謡曲が人気を得ると、その国のファッションや
化粧品など消費財も人気になるのが一般的な流れ」と指摘する。
若年層は中高年に比べ国産ブランドへのこだわりが少ないことも、ブーム拡大の背景にあるようだ。