(※抜粋です。全文は「女性セブン」誌面でどうぞ)
すべての始まりは'02年、『冬のソナタ』だった。それから9年。それでも変わらず一途なヨン様ファンがいる一方で、韓流ファンたちも、
取り巻く環境も、これほどまでに変わり続けている――。
「家族のみなさん。ペ・ヨンジュンです。お会いできてうれしいです。日本のみなさまのことを心配していました」
そんな言葉に、ファンの胸はほっこりして、笑顔がこぼれた。
そのなんともいえぬ距離感について、韓流ナビゲーターの田代親世さんは、こう分析する。
「多くの日本人女性にとって、ペ・ヨンジュンさんは初恋の相手。何年も会っていなかったとしても、また現れると、ふっとそのときに
心をもっていかれる。そのときの輝きとか、空気感とか、感動を伴って、変わらずそこにいるんですよ。初恋ってそういうものでしょ?」
海外ドラマ&映画ライターの村上淳子さんが、ヨン様ファンについてこう指摘する。
「ファンのヨン様への思いはいまも昔もまったく変わらないんです。最近はヨン様を好きでいながら、ドラマやK-POPで見つけた若手
をかっこいいと思ったり、好きになったりもするんですが、ヨン様への思いは一途で、別格なんですね」
下町情緒が色濃く残る東京・錦糸町にある韓国料理店『高矢禮 火』は、9月2日から連日満席が続いていた。
本誌記者が訪れた週明けの5日も、夜8時過ぎになってようやく店に入ることができたほど。客のほとんどが50〜60代の女性。
それぞれ別グループだったのだが、彼女たちのガールズトークはほぼ同じ内容。テーマは同店プロデューサーでもある「ヨン様」に
ついてだった。
『冬ソナ』以来の元祖おっかけ、主婦の藤木直美さん(神奈川在住・66才・仮名)も、マッコリ片手に、昨夜久々に対面した
ヨン様について追っかけ仲間と熱く語っていた。そして話は、思わぬ昔話に…。
「あのころの日本は、韓国という国に馴染みもなく、ドラマだって見る人はほとんどいなかった」
いまでこそ、街のレンタルビデオショップやCDショップには韓流ドラマや映画のDVDやK-POPスターのCDなどが所狭しと並んでおり、
大好きなスターの作品にいつでも触れることができる。
しかし9年前は違った。韓流モノは、せいぜい東京・新大久保でしか手に入れることはできなかったし、情報量もずっと少なかった。
それが『冬ソナ』後、ヨン様の他、イ・ビョンホン(41才)、チャン・ドンゴン(39才)、ウォンビン(33才)ら韓流四天王がブームを牽引。
その後は『宮廷女官チャングムの誓い』など韓流ドラマが韓流ファンを定着させていた。さらに'05年、東方神起がデビューし、K-POP
人気の礎を築き、韓国のスターが次々に日本上陸を果たした。
「9年経って、いまでは、テレビをつければ韓流ドラマをやっているし、街を歩けばK-POPが流れている。昔は在日のかたとの結婚は
隠したり、反対されたりもしたけど、娘に聞いたら、いまじゃ、韓カレ(韓国人の彼氏)がブームになってるっていうじゃない。それって
ぜ〜んぶ、ヨン様のおかげでしょ?彼が、韓流への入口をつくってくれたんだから。
私がBIG BANGやSUPER JUNIORのライブで娘と一緒になって絶叫できるのも、彼らを通して、うんと年の若いお友達ができたのも、
やっぱりヨン様あってのことなの!」(前出・藤木さん)
イベントの翌日、ヨン様は東京ミッドタウンの雑貨売り場でウインドーショッピングをして、帰国した。
機上の人となったヨン様を見送りながら、ある元祖追っかけファンがこうつぶやいた。
「若手アイドルは、親近感がウケているけれど、ヨン様はずっと遠くの別次元の人。でもポラリス(北極星)みたいに、変わらないし、
動かない。だから会えたり、見たりすると、ほっと安心するし、うれしい」
この気持ち、わかっていただけますか?
ソース(女性セブン 9/22号 150〜151ページ)
http://josei7.com/topics.html