中国の吉祥航空が、燃料不足で緊急着陸を要請したカタール航空機に航路を譲らなかった問題
で、中国の航空当局は30日までに、韓国人機長の中国国内の民間機操縦免許をはく奪し、同
航空の運航量を3カ月間にわたり、10%削減する処罰を科すと決めた。複数の韓国メディアが
報じた。
吉祥航空HO1112便は13日、燃料不足のカタール航空機を先に着陸させるため、着陸の順番
を譲るよう指示した管制官に従わず、虹橋空港への着陸を強行した。一方、カタール航空QR
888便は、ドーハを出発して上海の浦東空港へ向っていたが、「燃料不足で5分しかもたない」
として虹橋空港への緊急着陸を要請していた。
HO1112便はすでに着陸態勢に入っており「当機も4分しかもたない」として指示を無視したが、
その後の調査で約40分以上の燃料が残っていたことが判明。航空当局は危険な状況にもか
かわらず、管制官の指示に従わなかったとして、吉祥航空の韓国人機長と操縦士への処罰を
決定した。
韓国メディアは、当時の様子について、天候の悪化により離着陸が円滑に行えず、上海上空に
は20機以上の航空機が着陸の順番待ちをしていたと説明。燃料を十分に積んでいなかったカタ
ール航空側にも落ち度があり、着陸態勢に入った吉祥航空が航路を譲るのは危険だったとの
主張もあると伝えた。
また、韓国人機長にインタービューを行ったメディアは、機長が「着陸をやめて再び旋回した
場合、同機の安全も保証できなかった」と述べたとした。また、うその報告について問われる
と、カタール航空も実は4分以上の燃料があり「うその報告」は自分たちだけの問題ではない
と説明。「吉祥航空と航空当局との葛藤や外国人機長の増加に対する警告の意味がある」と
の見方を示したという。(編集担当:新川悠)
サーチナ 2011/08/31
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0831&f=national_0831_200.shtml