【中国】強引に道路を建設し、国境線を書き換え…南シナ海どころではない! ブータンでは知らぬ間に国土が2割も奪われていた[08/04]

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1依頼300@なつあかねφ ★
中国の領土的野心に対しては、最大限に用心する必要がある。何しろほんの5年前、人知れず
中国に領土を奪われてしまった国が実在するからだ。南シナ海、東シナ海に目を奪われがちだ
が、内陸部では既に中国の領土拡大が進んでいる。

前国王が掲げた“国民総幸福量(GNH)”を国是に、ゆるやかな変化と発展を続けるブータン
王国。「お金やモノという尺度ではない、独自の幸せを追求する」というチベット仏教に根ざ
した価値観を基軸に、自由で平和で安全で笑顔が溢れる「幸せ度」が高い国といえる。

が、現在、忌々しき事態に国は少なからず東奔西走している。植民地化された経験こそないが、
鎖国状態を経てきた内陸国ブータンの国境は、2大国=インドと中国(チベット自治区)に接
しており、地政学上、微妙な位置にある。チベット動乱の1959年以降、ブータンはチベット
自治区と接する北側の国境線(大部分はヒマラヤ山脈)を閉鎖してきたが、いつしか侵食され
ていたのだ。

「ブータン・中国の国境問題に、国会議員らが憂慮している。これは国家安全に対する脅威である」

ブータン国営テレビの報道によって、国境紛争が明るみになったのは2005年のことだった。
地元有力紙によると、ブータンの国境管理防衛局長官は「中国とブータンで両国の地図を見せ
合ったところ、国境線のあまりの認識の違いに愕然とした」という。

「中国・ブータン国境地帯の平和と安定を保つ協定」を1998年12月に締結した両国は、国境線
もその際に画定している。ところが、2004年から中国はブータン側に“冬虫夏草ロード”と
でも称したくなる道路建設工事を始めていたのだ。

別名「メンジョン(薬草の国)」と呼ばれるブータンの北部は、漢方の三大薬材の1つ、冬虫
夏草の産地だ。滋養強壮や精力増強、抗癌作用などの薬効が認められる冬虫夏草は、世界に300
以上の品種があるが、その中でコウモリガの幼虫に寄生する「コルディセプス・シナンシス」
が最高級とされ、チベットの標高3000m以上の高山にしか生育しない。工業国でなく酸性
雨が降らない環境からも、ブータン産の品質は“お墨付き”なのだ。

それを喉から手が出るほど欲しがっているのは、冬虫夏草を投機対象にする中国人だ。地方紙
『昆明信息港』(2010年9月6日付)によると、「雲南省昆明市内では1kg46万元(約575万円)、
40年前の1万倍の価格で取引されている。年間10万m2の草地が破壊され、縄張りを巡っての
殺人事件が頻発する」有り様だ。

また、中国の人民解放軍がブータン側に掘っ立て小屋をつくっていることに気付いたのは、高地
に暮らしヤクで生計を立てている遊牧民だった。夏は牧草を求め4000m以上の高地をさま
よい、冬は寒さを逃れ、低地へ下りてくるのが遊牧民の生活だ。

ところが何年か前より、ヤクが山を下りてこない事態に直面。「探しに山深くへ入ると、見慣れ
ない掘っ立て小屋が……」というのだ。ヤクのバターやチーズは貴重で、珍味であり高級加工品
だ。毛も防寒服になる。人民解放軍に捕獲され、売られている可能性が高い。

両国の国境線の認識の違いを、「一歩も譲れない」と突っぱねた中国外交部による公式談話
(2005年12月1日)は、「中国とブータンは良好かつ平等な友好関係を維持しており、協議
を通じて、両国間の国境問題が早期に解決するものであることを支持する。双方の努力により、
国境地区は平和で安寧な局面を維持している(後略)」だった。

翌2006年、ブータン政府は新国境線を発表。北部の突起部分が切り取られたラインで、国土
面積は約4万6500km2(九州地方の約1・1倍)から約3万8400km2(九州地方の0・9
倍強)へ、18%近くも縮小してしまった。

>>2以降に続きます

niftyニュース/SAPIO 2011/08/04
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/sapio-20110804-01/1.htm