当初は事故死と断定、1年にわたる捜査で「事件性高い」
【イ・ドゥ記者】 昨年4月、仁川市で20代の女性が、交際相手の男性とサンナクチ(テナガ
ダコの踊り食い)を食べて窒息死した。当時は事故死と断定された。ところが、警察は約1年
にわたる捜査の末、事件性が高いと判断した。
警察による捜査結果について報告を受けた検察は「殺人事件の可能性がある」と判断し、
交際相手のK容疑者(30)を起訴すべきとし、送検するよう警察に指示した。
仁川南部警察署によると、K容疑者は昨年4月19日の午前2時40分ごろ、仁川市南区の飲食店で
タコ4匹を購入した。うち2匹は身を切らず、丸ごと購入したという。その後、K容疑者は午前3時
ごろ、交際相手のYさん(23)と一緒にモーテルに入った。
約1時間後、モーテルのカウンターにK容疑者から電話が掛かってきた。K容疑者は従業員に
「タコを食べていたYさんが倒れ、息をしていない」と告げた。モーテルの従業員は警察の調
べに対し「K容疑者がYさんを背負い、助けてほしいと懇願したが、Yさんの体はすでに冷たく
なっていた」と話した。Yさんは病院に搬送されたが、16日後に死亡した。K容疑者は警察官や
Yさんの遺族に「Yさんがタコを食べていて突然床に倒れた」と状況を説明した。当時、Yさん
の死因は事故死として処理され、遺体は火葬、事故現場にあった証拠も持ち去られた。
ところが、Yさんが死亡する2カ月ほど前、K容疑者を受取人とする2億ウォン(約1487万円)の
生命保険がYさんに掛けられていたことが判明した。K容疑者はYさんが死亡した後、保険会社
から2億ウォンを受け取り、Yさんの遺族とは連絡を絶った。不審に思った遺族は昨年9月、警察
に「K容疑者に対する捜査を行ってほしい」と依頼した。遺族はK容疑者が、Yさんに掛けた生命
保険を受け取った事実や、タコ2匹の身を切らずに購入したこと、Yさんの体が(窒息状態が長く
続いたときのように)冷たかったというモーテル従業員の証言などを他殺の証拠として挙げた。
Yさんの父親(47)は「時々、娘が夢に出てきて『お腹が痛い』と訴える。保険金を狙ったK容疑
者による計画的な殺人だ」と主張した。一方、警察の関係者は「K容疑者が供述を拒み、うそ
発見器(ポリグラフ)による検査にも応じない状況だ」と話した。
朝鮮日報 2011/07/25
http://www.chosunonline.com/news/20110725000043