東レは28日、韓国・慶尚北道の亀尾国家産業団地で炭素繊維工場の起工式を行った。
炭素繊維は重さは鉄の4分の1にすぎないが、強度は鉄の10倍以上という先端素材で、
航空機の胴体や翼、自動車の車体、釣りざお、ゴルフクラブなどの軽量化につながる素材として注目を浴びている。
韓国に炭素繊維の工場が設置されるのは初めてだ。
東レは今後10年間で亀尾工場に1兆3000億ウォン(約980億円)を投資し、韓国を世界最大の炭素繊維生産拠点と位置付ける方針を明らかにした。
日本国内の工場の2倍に当たる年間1万4000トンを生産する計画だ。
■ハイテク企業続々
東レだけではない。日本が誇る化学、電子、機械分野のハイテク企業が続々と韓国に生産拠点を設けている。
そうした傾向は、今年3月の東日本巨大地震以降、さらに強まった。東レ新工場の起工式に出席した日本の武藤正敏駐韓大使は
「地震の影響で生産基地を多角化しようという動きがあり、地理的に近い韓国が人気を集めている」と指摘した。
住友化学はサムスングループと合弁で、京畿道平沢市にスマートフォン(多機能携帯電話端末)の部品工場を建設することを決めた。
同工場は来年にも操業開始予定で、タッチパネルを生産する。
電子部品メーカーの淀川ヒューテックも先月、平沢市に45億ウォン(約3億3700万円)を投資し、
自動車用二次電池の部品工場を生産することを決めた。
化学素材メーカーの宇部興産は、8月にも忠清南道牙山市に建設したプラスチック樹脂工場の操業を開始する。
携帯電話の画面部分に従来使われてきたガラス板に代わるフレキシブル素材のポリイミド樹脂を生産し、サムスン電子などに供給する予定だ。
このほか、精密機械メーカー、プラクシス(本社兵庫県姫路市)系列のエアフォルクは江原道東海市に、
トヨタや現代自動車に納品する自動車エンジン部品を生産する安永は全羅北道益山市にそれぞれ工場を設置することを決めた。
さらに、化学メーカーの日本曹達は、韓国の南海化学と共同で、
全羅南道の麗水産業団地に430億ウォン(約32億円)を投資し、防除剤の原料工場を建設する。
生産拠点だけでなく、企業の研究所も韓国に進出している。
液晶パネル製造設備のアルバックは、来年1月に京畿道平沢市に海外初の研究・開発センターを開設する。
「超材料研究所」という名称で、テレビ用の液晶パネル製造技術を開発する。
電子部品メーカーの東京エレクトロンも京畿道華城市に研究開発センターを設置し、来年1月から稼働を予定している。
知識経済部(省に相当)によると、今年第1四半期(1−3月)に
日本企業が韓国に投資した金額は4000億ウォン(約300億円)で、前年同期を40%も上回った。
第2四半期以降も投資額は伸び続ける見通しだ。
ソース 朝鮮日報 記事入力 : 2011/06/29 11:20:21
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