Kリーグ八百長:名門チームの高額年俸選手も違法賭博
元韓国代表の金正謙、八百長情報を入手しスポーツTOTOで150万円を手に
Kリーグ八百長問題の影響が広がる中、名門チームに所属する選手が八百長情報を入手し、
違法行為に手を染めて現金を入手していたことが明らかになり、関係者の間で衝撃が広がって
いる。浦項スティーラーズは2日「“検察が金正謙(キム・ジョンギョム)=写真=の違法賭博
容疑をつかんだ”という前日のマスコミ報道を受け、本人に問いただしたところ、事実である
ことを認めたため、直ちに契約を解除して解雇した」と発表した。
浦項スティーラーズによると、金正謙は高校の後輩でかつてのチームメートでもあった大田の
選手(27)から「(今年4月6日の)『ラッシュ&キャッシュカップ大田』の浦項−大田戦で、
八百長が行われる」という情報を入手した。情報を提供した選手は、八百長に加担した容疑で
29日にすでに身柄を拘束されている。
大田はこの試合でブローカーの狙い通り0−3で敗れた。金正謙は出場しなかったが、別の
人物を通じてスポーツTOTOに1000万ウォン(約75万円)を賭け、2000万ウォン(約150万円)の
配当を手にした。現役のプロスポーツ選手がスポーツTOTOに金を賭けることは法律で禁止されている。
この事件を通じ、名門チームも違法行為に関係していることが改めて明らかになった。これ
まで検察に身柄を拘束された選手は、大田や光州など財政基盤が弱い市民チームの選手ばかり
だった。ブローカーも八百長に協力する選手を物色する際、主に年俸が5000万ウォン(約370万円)
前後の地方チーム所属選手に目をつけていた。
しかし、今回は事情が異なる。ポスコが親会社となっている浦項スティーラーズは、1973年に
実業団チームとして立ち上げられ、Kリーグが発足してからも4回のリーグ優勝を経験した強豪だ。
2009年にはアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)でも優勝している。
違法行為が明らかになった金正謙は数億ウォン(1億ウォン=約750万円)の年俸を受け取って
おり、韓国代表として国際Aマッチに7回出場した経験をもつベテラン選手だ。
今回の金正謙の事件は「賭博および不正行為根絶誓約書」に署名した直後に起こったことも
あり、衝撃はさらに大きくなった。金正謙は、今月1日に江原道平昌で開催されたKリーグ・
ワークショップに参加し、他の選手たちと共に「一切の不正行為に関わらない」と誓約していた。
ワークショップでプロサッカー連盟は「13日までにこれまでの違法行為を自ら報告すれば、連盟と
して懲戒を最大限考慮する」と約束した。金正謙は自らの違法行為を申告しなかったが、この日
夜にチーム側から追求されて初めて自らの違法行為を認めたのだ。
浦項の対応もまずかった。夜11時にチーム事務局に金正謙を呼び、違法行為に手を染めていた
ことを確認した上で、翌朝に金正謙との契約を解除した。その上で「それ以外の選手はいかなる
八百長行為にも関係していない」と宣言し、検察にも捜査を依頼しなかった。
金正謙の違法行為が明らかになったにもかかわらず、浦項は事件についての詳しい調査を行わず、
解雇によって問題をもみ消そうとした。しかし、これに対しては「トカゲの尻尾切りだ」との
批判が相次いでいる。
チャン・ミンソク記者
http://www.chosunonline.com/news/20110603000028