夫を緊急逮捕
鎖で縛り、リュックに入れ川に遺棄
大学教授の夫と結婚してから約1年後に離婚訴訟を起こした妻(50)が、先月2日に行方不明に
なってから約50日後、鎖で縛られ死亡した状態でリュックサックの中に入れられているのが発
見された。警察は夫(53)を容疑者として緊急逮捕し、調べを進めている。
釜山北部警察署は22日「夫が先月2日、釜山市海雲台区のコンドミニアムの前で、離婚訴訟中
だった妻と会い、首を絞めて殺害した後、乗用車に遺体を載せ、洛東江の河口に捨てたものと
みられる」と発表した。
妻の遺体は今月21日午後2時ごろ、釜山市沙下区下端洞の乙淑島大橋近くの洛東江で、縦1メー
トルほどの大きさの登山用リュックサックの中から、手足や胸などを鎖で縛られた状態で見つ
かった。警察は遺体の指紋を調べた結果、妻の指紋と一致した、と説明した。
警察は、夫が犯行に使ったリュックサックを事件の数日前に購入する場面が映った監視カメラ
の画像や、先月14日に押収した夫の乗用車の後部座席から見つかった妻の血痕とヘアピン、妻
が行方不明になった先月2日、夫と数回にわたって携帯電話でメールをやり取りした記録など
を証拠として確保した。
警察は「妻の携帯電話の電源が切れた場所が、別居中の夫の住所に近い北区万徳洞だったこと
や、電源が切れた3日午前0時33分に、夫が同じ場所にいたことを確認した」と説明した。
警察の関係者は「妻が行方不明になってから4日後の先月6日、夫が携帯電話の番号を変え、
インターネットで『遺体のない殺人』などのワードを入力し検索した記録が見つかった点など
から、夫は細かい犯行計画を練り、完全犯罪を狙ったものとみられる。補充捜査を終えた後、
夫に対する逮捕状を請求する方針だ」と話した。
警察は夫のパソコンから、遺体を川に遺棄する方法が書かれた文書を発見した。
韓国国内の名門大学でコンピューター工学を専攻する夫は、サイバー犯罪の類型や実態について
の講演を行い、韓国コンピューター犯罪研究会の会長も務めた。なお、夫は大手法律事務所に
所属する弁護士を選任し、容疑を否認しているという。警察は「夫は完全犯罪が可能だと考え
ていたようで、証拠を突きつけても黙秘し、心境の変化を見せたかのように思わせながら、結局
は容疑を否認するなど、とても知能的な反応を示している」と話した。警察は23日、妻の遺体
の解剖を行う予定。
妻の遺族は「学習塾を経営していた妻は、昨年3月に夫と再婚したが、金銭問題で争いが絶え
ず、離婚訴訟を起こすと共に、夫に貸した約3億ウォン(約2250万円)を返済するよう求めて
いた」と主張した。遺族は妻が行方不明になった後、謝礼金1億ウォン(約750万円)を掛け、
10万枚のチラシを作成し全国に配布していた。
釜山=権慶勲(クォン・ギョンフン)記者
朝鮮日報 2011/05/23
http://www.chosunonline.com/news/20110523000039