石油価格が上昇し、偽のガソリンなどの販売が横行している中、ガソリンスタンドまで構えて
違法に製造した偽ガソリンを販売していた企業形態の組織が検察に摘発された。中古車販売業者
から石油会社のロゴが入ったタンクローリーを購入し、本物のガソリンを売っているかのよう
に見せかけていたという。
清州地検忠州支庁は2日、石油会社の代理店から原料を購入して偽ガソリンを製造し、自ら運営
するガソリンスタンドなどで販売した容疑で、総括社長(39)や元暴力団員の販売所長(36)ら
8人を逮捕し、ガソリンスタンド管理理事(47)など19人を在宅のまま起訴したと発表した。
偽ガソリン販売により、5年間で60億ウォン(約4億5400万円)余りを稼いだという。
検察によると、容疑者らは2006年から、親戚らの名義で石油販売所の登録を行い、石油会社から
原料を購入し、忠清北道鎮川郡の貯油所で偽ガソリンを製造したという。これを偽ガソリン販売
業者や運転代行会社などに販売したほか、忠清南道天安市に構えたガソリンスタンドで売り、
計430万リットル(60億ウォン相当)を販売した。
捜査を担当したチェ・ドゥホン検事は「偽ガソリンを製造した犯人が自らガソリンスタンドを
運営し、逮捕されたのは初めてだ」と話している。
このように、偽ガソリンを製造・販売し、摘発されるケースが急増している。韓国石油管理院
によると、年初から3月にかけて摘発された件数は1087件と、前年同期(724件)に比べ1.5倍
に増えたという。
この日、慶尚北道慶州市では廃工場を借りて偽ガソリン165万リットル、22億ウォン(約1億
6700万円)相当を製造し、流通させた容疑者(35)が逮捕された。先月20日には、大邱市北区
の犬飼育場で60万リットル、8億ウォン(約6000万円)相当の偽ガソリンを製造し、販売した
業者が警察に捕まった。
偽ガソリンが広く出回っていることを受け、韓国石油管理院はトランクに特殊検査装置を設置
した検査車両20台を投入し、取り締まりを強化している。検査車両は、傍目には一般乗用車と
同じように見えるが、石油管理院が05年に独自に開発し、米国や日本でも特許を取得した検査
装置を積んでおり、給油後すぐにガソリンが本物かどうか検知できる。
クォン・スンジュン記者
朝鮮日報 2011/05/03
http://www.chosunonline.com/news/20110503000045 図
http://file.chosunonline.com//article/2011/05/03/877865820175621822.jpg