鉄道部財務司が発表した最新の「主要財務及び経営データ報告」で、鉄道部所属の輸送会社は
今年1-3月期に37億6千万元の損失を出したことが明らかになった。鉄道部は、ディーゼル油、
鋼材、部品、交換材料などの原材料価格が上昇したためで、投資規模を2000億元縮小するという
情報は正確ではないとしている。
■データ1
1-3月期の赤字額が09年度通年の利益を上回る
同報告によると、鉄道運輸部門の営業総収入は1558億元、総コスト(含税)は1595億6千万元、
損失額は37億6千万元だった。
1-3月期の損失の原因は主にディーゼル油、鋼材、部品、交換材料などの原材料価格が上昇し
たためで、特にディーゼル油は昨年の同時期に比べ、1トン当たり1千元近く上昇、それだけで
輸送会社は15億5千万元のコスト増となった。
全国政治協商委員会委員で中共中央政策研究室前副主任の鄭新立氏は、今は高速鉄道の投入段階
にあり、数年後には輸送が正常に戻り、設備や管理費用が下がる見通しだ。乗客数が増えれば、
すぐに利益が出るようになるとしている。「鉄道輸送は大局的、長期的な判断をする必要がある」。
■データ2
鉄道関連会社の負債額2兆元に迫る
今年の両会(全国人民代表大会と全国政治協商会議)開催中、鉄道部の盛光祖部長は取材に対
し、中国の鉄道関連会社の負債額は約1兆8千億元、総資産は3兆3千億元で、負債率は約56%と
紹介した。最新の報告によると、中国の鉄道関連企業の負債額は1兆9836億元、負債率は2ポイ
ント増の58%を上回った。
高い負債率は高速鉄道の建設に関係しているのかについて、盛氏は「鉄道は発展させなければ
ならない。ある程度の負債は安全な範囲であれば、正常なことだ」と話した。鉄道関連の負債
は国有企業の中では依然として低いほうで、中国だけでなく、世界的にも負債率が56%を超え
る大手企業は多い。「今のところ負債は安全な範囲内だ」とした。
鄭氏も、鉄道部所属の輸送会社の負債率はまだ安全な範囲内だとの見方を示している。一般的
には国有企業の負債率の安全ラインは60%前後とされているが、業界によって状況は異なる。
「高速鉄道が現在、建設段階にあるため、長期的かつ大規模な投資を必要としている。そのた
め負債率がやや高めなのだろう。投資のピークが過ぎれば収益が増加し、負債率が下がり始め
る」とした。
■データ3
鉄道部、投資規模の2千億元縮小を否定
計画にあった一部の高速鉄道計画が取り消しになるとある経済系メディアが関係者の話として
伝えた。鉄道部は議論の末、今年の基本建設投資について、2千億元縮小、つまり年初に計画
していた7000億元の基本建設投資を4000億元余りにまで削減することで基本合意したというのだ。
これについて鉄道部の何華武総技師は、鉄道投資計画に関する調整はメディアで伝えられてい
るようなものではないとし、「今年は基本建設投資を1千億元削減するが、設備投資には変化
はない」とした。
盛氏は「人民日報」の取材に対し、第12次5カ年計画(2011-2015年)期間中の鉄道建設の規模
について、2兆8千億元の基本建設投資を準備していると述べた。第11次5カ年計画(2006-2010年)
に比べ、新路線の操業開始が87.5%増、完成工事が41.4%増加することになる。
チャイナネット 2011/05/05
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2011-05/05/content_22502870.htm