旧ソ連の最高指導者として1991年4月に初訪日したゴルバチョフ・ソ連大統領と海部俊樹
首相(当時)が日ソ共同声明に署名して20年。北方領土をめぐる日本とロシアの領土返還交渉
は、現在も先行きが見えない状況にある。日露双方の考え方にはどのような差異があるのか。
連載「ソ連崩壊20年」の番外編として、イタル・タス通信社東京支局長のワシーリー・ゴロ
ブニン氏に電話で聞いた。(黒川信雄)
−領土返還交渉において、日本人とロシア人の間で思考や交渉の進め方にどんな違いがあると
感じるか
「さまざまな、細かい問題について、意見の不一致がある。まず、第二次世界大戦の終わり頃
をどのように評価するか。ロシアでは社会の多数の人々は、日本が当時、帝国でナチス・ドイツ
との同盟国であり、旧ソ連を脅かしていたと考えている。だから、1945年8、9月の(旧
ソ連の)作戦に対しても、この大枠で捉えている。つまり、日本が領土を失ったのは、正当な
罰だという考え方だ。一方の日本は、旧ソ連の戦争参加については、全く違う観点で見ている。
また他の例を挙げれば、56年の日ソ共同宣言があるだろう。日本の解釈は、旧ソ連が日本に
2島の返還を法的に認めたというものだが、ロシア側にとればこれは、約束ではなく、(2島
返還の)提案だったということだ。そして、日本が我々の提案を拒否し、今も拒否し続けてい
る。ロシアが二島返還を提案したというのは、あくまでも平和条約を結んだ後に、いわば「プ
レゼント」として「譲る」というスタンスだ。「譲る」ことはできる。でも「返還」ではない。
ここが微妙なところだ。
日ソ共同宣言については、プーチン氏が大統領になり、2000年のNHKインタビュー、また
(01年の)イルクーツク(での森喜朗首相との会談)で(その有効性を)認めた。ただこれ
は、小泉純一郎首相(いずれも当時)が拒否した。ロシア外務省の見解としては、この宣言は
唯一、国際条約という資格を持つ。今後の交渉も、これを一番重要な基盤にしなくてはいけな
いと考えている。
また東京宣言の解釈をめぐっては、日本は法と正義に基づいて解決するということを、四島返還
を意味するという解釈を取っている。一方でロシアは、領土問題の解決は「いろいろな形を取
ることができる」という考えだ。つまり、「今のままで解決する」という考え方だってできる。
あらゆる解決方法がありうるということだ」
>>2に続きます
MSN産経ニュース 2011/05/04
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110504/erp11050418010004-n1.htm 【産経新聞 主張】講和条約調印60年尖閣、北方領土・・・主権意識強め結束したい[04/28]
http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1303981335/