人力資源・社会保障部はこのほど、違法な派遣労働の取り締まりを6月から大幅に強化する
意向を明らかにした。特に派遣労働者を多量に雇用しているとされる、中央企業など大型企業
を中心に実施する。また年内にも、細則を取り決めた新たな条例「労務派遣条例」の公布・施行
を目指すとしている。
労働組合(工会)の上部組織である全国総工会や全国工商聯などと合同で、国内の派遣労働の
実態を調査する。もし派遣労働で違法な点が見つかった場合は、労働者を派遣した事業主と、
派遣労働を受け入れた事業主の双方を法に基づき処理・処罰する。また、一部の派遣会社の
営業停止など、淘汰(とうた)も進める方針だ。
同部の楊志明・副部長は、中でも中央企業や中・大型企業で派遣労働の乱用が広がっていると
して、調査・処罰を強化する方針としている。派遣労働者とは直接、労働契約を結んで社会保障
費を負担する必要がないほか、比較的容易に解雇や賃金の引き下げが可能だとして「雇用の調
整弁として乱用されている」(楊副部長)のが現状という。石油や化工、電信、金融、航空、
鉄道などの分野での大型企業が特に深刻で、一部中央企業では労働者の3分の2を派遣労働者
が占めているとされる。
また同部はあわせて、派遣労働の扱いに特化した「労務派遣条例」を年内に公布・施行するこ
とも目指す。2008年1月に施行された「労働契約法」では、派遣労働者の権利保障が不十分だ
との指摘が相次いでいた。同部は09年から労務派遣条例の策定を進めており、一時は中央企業
や派遣業界からの強い反対を受けて成立も危ぶまれていたが、これを年内での公布にこぎつけ
る意向だ。
全国総工会が昨年調べた結果によると、全国の派遣労働者は6,000万人余りで、国内の全従業
員の約20%を占めている。23日付経済観察報が伝えた。<全国>
NNA.ASIA 2011/04/25
http://news.nna.jp/free/news/20110425cny002A.html